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地方自治小景 12
前回の地方自治小景で広島市の地域福祉施策を取り上げた。これに関連して、地域の情報を可視化して地域課題の把握をするためのツールである「地域(福祉)カルテ」について今回は取り上げたい。
まずは廿日市市の整備済みの地域福祉カルテの取組を参考例としてみてみたい。
廿日市市地域福祉カルテ
地域福祉カルテ自体がどのようなものなのかは付属の「暮らしと地域を診断する「地域福祉カルテ」のススメ」を読んでいただくとして、実際に地域課題を把握して解決につながる活動をしている人間としてこのカルテを活用した側として所感を述べたいと思う。
実際に住んでいる地域に関しては新しい情報や気付きは少ない
地域のステークホルダーとこのデータに基づいて課題についてコミュニケーションやネゴシエーションをする際に有用
土地勘がない地域に関しては事前情報としてインプットすることでその地域での活動のための仮説を組むことができて有用
行政官や議員と地域課題について話す際に定量値として参照する際に有用
ざっと箇条で書きだしてみたが、課題としては主なデータは定期的に行われる国勢調査の統計が元となっているが、カルテの更新にコストがかかる。そのため廿日市市においても現在のカルテ以後におこなわれた国勢調査のデータによる更新や歯抜けのデータの更新などは未だにできていない。また、このカルテを地域福祉や地域課題の解決に活用している事例をわたしは知らない(私が唯一の事例でないことを祈りたいが)。
廿日市市は上記のように地域の情報を集約したカルテを作成しているが広島市はどうなのだろうか?
広島市議会 令和3年11月17日 安心安全対策特別委員会の馬庭議員の質問より
議事録を読んでいただくとわかるのだが広島市も過去に地域福祉の文脈で地域カルテを作成している。ではあるが、活用はおろか過去に作成した地域カルテがどの課が管理しているのかすら不明という状態である。
上記を踏まえて、廿日市市の既存の地域福祉カルテをベースに直近の国勢調査で更新を加えた地域福祉カルテのWeb版を作成しようと考えている。と同時に広島市域ないの小学校区単位のものもあわせて整備して順次公開していきたい。
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