どこにゴールを設定するか、で変わるルート設定

「健康」についてあーでもないこーでもない、と蘊蓄を垂らしているのですが結局のところ『どこをゴールにするか』によってアプローチは変わります。

今時期のトレンドを取り上げると「花粉症」。花粉症によって生活の質（QOL：Quality of Life）は落ちます。鼻水は出るし目も痒い、鼻で呼吸できないから集中できないし更に別の不調の原因にもなる（口呼吸だとそうなるし、単純に口が乾いて口臭がキツくなる！）。

しかし、「死ぬ」ほどのことではないんですよね。医療としては「大したことのない」立ち位置なんです。医療の最重要課題は大勢の人が即死亡する疾患・感染症といったものへの対応です。黒死病（ペスト）やがんなどですね。がんへの対応策（死滅させる方法）は大体わかってきているので個人的にそこまで問題視はしてませんが。

兎にも角にも「死なない」ことを重視する医療の視点からすると花粉症なんてものに避ける時間も費用もないんですよね。そして、死ぬほどのことでもないので花粉症に真剣に悩んでいる人もいれば、しょうがないよね、と半分諦めている方もいる。

花粉症を
A『自費でも治療を受けるからなんとしても改善したい！』
B『まあ、簡単に治せるなら治そうかな』
C『もうどうでもいいっす、一生付き合っていきます』

A〜Cさんのように花粉症という症状に対してのゴールが様々です。
ほとんどがBさんグループに入ると思います。（僕もこのグループです）
実際はもっとゴールが多くなります。B−1さんは『保険診療下でなら治したい』になるかも知れませんし、B-2さんは『自費治療でも1万円までなら出せる！』などその温度差や重要性に差が出てきます。もう千差万別。

例えば、B-2さんに対して「こういった治療法で花粉症が治ります。エビデンスはこうでああで・・・」と懇切丁寧に説明しても治療費が10万円だったらB-2さんの範疇からは除外されてしまうんです。

B-2さんの価値観
花粉症の辛さ及び生活の質の低下　＜　1万円以上の金額の治療法

ということになるのでAさん（自費治療肯定派）とは異なるアプローチ（ルート）が必要になります。
この例ではわかりやすく「金額」での差を強調しましたが、実際はお金よりも当人及びご家族の努力が重要なことも多々あります。
お酒を控える、食事の回数を減らす、ジョギングを定期的にするなどです。
この3つの例はお金はかかりません（むしろ家計が浮きます）。しかし、本人の努力が必要とされます。お酒を飲まないという自分ルールや寒い日に外へ走りに行く辛さなどです。大体が「自己管理能力」を問われることに当てはまります。

治療のゴールに対するルート設定は「金銭面」と「当人の自己管理能力」のバランスによる

どれだけ治療にかけるお金を持っていても当人が「運動は絶対しない！」といっていたら正直治りません。逆に本人は治したいと切に願っていても治療法が現時点で非常に高額な場合も現実的に治せません。

ゴールが「完治」なのか「それなりに落ち着かせる」なのかによってルートが変わるんです。100kmのウルトラマラソンを完走したい人と健康維持のために近所を30分散歩できれば良い人とは良し悪し関係なくやるべきエクササイズが全然違うのと一緒です。

こんな感じで「健康」と一括りにいっても価値観は人それぞれなので明言できません。実際には健康とはこうゆうこと、と言えますが言ったところで相手方が聞く耳を持たなければどうしようもないのでそこはなんとかしたいと思いつつ、諦めが肝心かな、とも思っています。

上記のCさんのような場合は相当伝え続けないと伝わりませんし、伝わったところでCさん自身が行動を起こす（例：運動する、治療を受けに行く）ことをしないと正直意味がありません。

綺麗事を言うつもりは全くないので書いてしまいますが、当院のスタンスとしては『当院の施術代を支払うことができる＆山本の施術技術、医学的知識や情報を信じてくれる方へは100%真摯に対応します』です。
逆にこちらが明言していない割引を求められたり、そもそも信用してもらっていない、治すつもりが全く無い状態で来られてもおそらく症状は好転しませんのでご来院されたクライアントにとっても私にとってもお互いメリットがないのでお勧めしません。

信頼してもらうためにこういったnoteを日々書き続けてなんとか伝えようとしていますし、自分自身の体調を保つことと理論（100マイルを走ることができる、アレルギーなし、そのための医学的根拠を伝えられる）で証明としています。その人体実験についてもnoteに書いています。

話がバラバラになってしまいましたが、言いたいことは「僕を信じて話を聞いてね(笑)」です。割と仕事に関してはちゃんとしてますので。