情報収集と共有も治療家の仕事

治療家(セラピスト)という仕事は人の身体に触れて治す・状態を良くするのがメインとなる。
※ここでは「治す」とはどうゆうことか?という点については省略します。

治療家もセラピストも一般的にはあまり聞き馴染みがないので会う人には「整体師です。」と伝えています。間違えではないし、いちいち説明するのも面倒なので。

身体、特に筋肉や靭帯、骨、関節など運動器にアプローチをすることでクライアントの健康状態の増進を図るのが仕事となります。手法は僕の場合指で押すとか伸ばすとか手技療法。鍼灸師の方なら鍼やお灸。イメージ通りです。

しかし、15年ほどとそれなりに『健康』というものに関わってきて確信したことがあります。

身体(運動器)だけでは健康にはなれない

という事実。これまでの経験だけで言っているのではなく、様々な分野の研究結果なども含めてのものです。そもそも自分一人の経験なんてたかが知れているのでその経験談だけで話をしても信憑性に欠けます。経験から答えを出すことは大切ですが、その他大勢や細かな研究を照らし合わせることも大切。それが自分の意見と食い違うことがあっても。

人間は肉体だけで健康になれるほどシンプルなものではなく、遺伝子、脳、腸内環境、生活環境、人間関係、仕事、メンタルその他様々な構造物や影響を受けた上で成り立っています。しかし、肉体を動かすこと、すなわち「運動」は100%健康増進につながります。(この点に関しては100%と言い切る自信と確信、医学的根拠があります)

運動をすることは先に述べた構造物(脳も人間関係も全て)に影響を与えます。その逆も然りです。
運動をすると脳に良い、脳に良いことは仕事にも活きる、仕事が楽しいと人間関係が良くなる・・・みたいな連鎖です。

そのため、治療家としてクライアントを「健康」にするのであれば、運動器の情報(例:上腕二頭筋の起始停止など解剖学知識や筋繊維が緩む方法)だけでは全くもって足りません。健康に関与する情報を集め続けなければなりません。

そのため、脳や腸内微生物について調べたり、分子栄養学の検査を実体験する、はたまた160kmを走るなど日々頭とカラダに鞭を打っているわけです。(多分死ぬまで続けるんだろうなぁ・・・)

頭や身体を使った情報収集とともにその情報を目の前のクライアントに合わせて共有することも仕事の一つです。

どれだけ運動をしていても食生活が悪ければ健康とは言えません。その場合なら正しい食についての情報を共有する。提案する。
変えようもない人間関係で悩んでいたら、運動など他のアプローチを勧めるなど健康に関与する方法を伝える。
健康に関する引き出しを増やしてそれを適宜クライアントによって使い分ける感じです。

手技療法の技術を高めるのは最低限やること。
それ以外の健康に関連する情報に対して敏感になり正しく伝えていくこと。(情報のアップデートも含む)時によっては身を削って実践して証明すること。そうすることで健康に悩んでいるクライアントのブレることのない「軸・支え」となり、その方の健康増進につながります。

それも僕が考えるこれからの治療家像です。少しは理想に近づいてきている気がします。

今後もより良質な発信をしていくためのサポートをできる範囲でお願いします!