ワイン片手に、あなたも「画家」に。「artwine.tokyo」
「絵が苦手な人でも2時間で名画が描ける」そんなアトリエが東京根津にある。自分の手で作品を生み出す体験は、忙しい現代人の心を癒してくれるだろう。
東京地下鉄千代田線 根津駅から徒歩5分。路地裏の団地の一室に、「artwine.tokyo」はある。ここでは美大出身講師のレクチャーのもと、ワインやスナックを楽しみながら自分の手で憧れの名画を描き上げることができる。
団地のドアを開けると10名ほどの参加者がエプロンを着用して、絵の具やキャンバスが並べられた机の前に座っている。絵を描くにあたっては準備するアイテムが多そうだが、「artwine.tokyo」は作業に必要なものはすべて貸し出してくれるので外出の途中に手ぶらで来ても問題ない。
名画をイメージしてペアリングされたワインでの乾杯からワークショップはスタートする。この日描く名画はドイツの印象派画家、レッサー・ユリィの作品「夜のポツダム広場」。雨に濡れたドイツ・ベルリンのポツダム広場に、建物の窓から漏れ出た光が反射している。
メランコリックな雰囲気をまとう作品に合わせて、ワインは”雨のじめっとしたニュアンス”を感じられるアストロラーベの「マールボロ ピノ・ワール2017」がペアリングされた。
乾杯後は女性講師の指示のもと、真っ白なA4サイズのキャンバスに絵の具でガイドとなる点をつけていく。「左側の点と上側の点を青い絵の具でつないでください」、「一番平たくて大きな筆でザカザカと塗りつぶしてください」。講師の具体的な指示を受けて参加者は手を動かす。制作時間内のどのタイミングで何を描くか、何色を混ぜるかは講師により細かく設計されているため、初心者でも失敗しない。言われるまま筆を動かしているとだんだんと全体像が見えてきて、自分でも描けるんだと嬉しくなる。
「遠くにある建物は空気の粒でぼやけて見えるので輪郭もぼんやりとさせます」。講師から伝えられるドローイングのテクニックは、美術鑑賞の解像度を高める手立てにもなりそうだ。
120分の制限時間の中で90分ほどを過ぎると、大半の参加者の作品が仕上がってくる。周りの人の作品を見比べると、全員同じ講師から説明を受け、同じ手順で描いてきたはずなのに、それぞれ全く違う雰囲気がある。残された30分間で、描きにくい部分を講師へ質問したり、見本にはないオリジナルのモチーフを描き加えたり、時間いっぱい作品に向き合う。最後にサインを書き入れて世界で一つだけの作品を完成させる。ワインやスナックの提供、画材の貸し出しを含めて料金は6,600円。
「artwine.tokyo」ではモネの「睡蓮」などの名画を模写できるほかに、自由な発想で描けるアルコールインクアートの体験も用意されている。ワークショップはどれも1回完結型のため、気になったものを気軽に体験可能だ。
普段絵を描き慣れていないとしても、アルコールのおかげで気持ちがおおらかになり、小さなことは気にせず大胆に筆を運べるようになる。SNSや動画サイトなど、消費しきれないほどのコンテンツがたくさんある現代で、自分の手で作品を生み出す体験は忙しい人々の心をときほぐし、癒してくれるかもしれない。
「artwine.tokyo」のホームページはこちら↓
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