自己紹介②「祖父の遺産と投資の失敗」
そんな中、父方の祖父が亡くなり、遺言により300万ほどの遺産をいたただくことなりました。
祖父は私が大学の教員になることをこと強く期待していて、その期待を込めたものだったと思います。
自分は本当は挫折しかけているのに、そんな僕にそんなお金を託してくれる祖父には情けない気持ちでいっぱいでした。
しかしながら、当時私は結婚を前提として付き合っていた女性がいて、彼女との結婚生活に踏み切るためには、かなり手助けになるお金だと思い、うれしく思ったものでした。
実際には人並の結婚生活には300万程度だいろいろと計算すると少なすぎるというのが実感でした。
そんな中、ずっとアルバイトをしていた個人指導型の学習塾の社長から、投資の話を持ち掛けられていたのを思い出しました。
2年ぐらい前から誘われていましたが、資金もなかったし、その社長自体も前から胡散臭いところがあったので、ずっと断り続けていたのですが、この機会だからと話を聞いてみることにしたのです。
投資の具体的な内容についてはここで伏せますが、話を聞くとかなり有望そうなスキームに見えました。
実際にデータを分析したりしましたが、確実に利益が生じるような結果となっていました。
バカなことに私は祖父からいただいた300万すべての投資にゆだねてしまったのです。
最初の3か月は順調に利益が生じていきました。
時にはマイナスになることがありましたが、すぐにそれをリカバーするリターンが生じていました。
しかしながらおよそ半年後、大きな損失が生じ、その損失を取り戻すために、資金を借金して、その資金を投資に回して、
その資金も融かしてしまうということを繰り返すことになってしまいしました。
結局、あっという間に800万以上の債務を抱えることになってしまいました。
自分の研究分野については、精密に思考を巡らし、それなりのレベルで判断できるはずが、それ以外の分野ではまるで素人であることを自覚させられました。
いや、それ以上に、世間知らずの頭でっかちのポスドク、本当は何の役にもたたず、社会不適応なお荷物というイメージの自己卑下を感じてしまい、軽度のうつ状態になってしまいました。
その後、彼女とはほどなく別れてしまいました。
借金取りを恐れて、大学にもいかなくなり、自宅のアパートにも帰れず、街中や公園をうろうろする日々が続きましたが、
遂にはその筋の借金取りに捕まってしまいました。
目つきは鋭いし、服装もそれっぽい感じの3人組でしたが、やり取りはいたって優しく同情的でした。
彼らは「実家に借りて返せ」と迫りましたが、もともと祖母の資産を融かしていますので、それだけは絶対にできないと拒否しました。そうすると借金取りのリーダー(本当に怖い目つきの大男)が言いました。
「お前さ、結構いい顔してんな、やさ男って、感じだから、ホストやれよ。すぐ返せるぞ」
「えっ、そんなことできませんよ」
「お前、自分の立場、わかっているの?」
「うっ」
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