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五感の大事さを経営学に持ち込みうるのか、とか。

ゼミ第11期のメンバーの誰か一人でも、ゼミ後にブログを書いたら、私自身も書くことにしようと思います。

とはいえ、今日のゼミはPJ先への初訪問に向けて、チームごとに質問や「やってみたいこと」を顕在化してってのがお題だったので、私自身が書くことはあまりありません(笑)

ただ、たまたま今日、大学生協の書店で見つけて衝動的に買った一冊からの雑感と併せて書きとめておくことにします。

水曜日のBBQ、天気よくて何よりでした(^^)

五感による〈もの〉の把握

これ、当たり前に聞こえる話ですが、この事態を言語化するというのは、けっこう至難の業です。なんでこんなことを言い出したのかというと、買ったのが⬇︎の本だからです。

いろいろ興味深い章もいくつかあるのですが、なかでも第11章「五感によって把握される「もの」
—知覚と環境をめぐる人類学的方法試論」(河合香吏)は、個人的にすごく惹かれる議論。

もう少し咀嚼&消化できてから書こうかとも思ったんやけど、取り急ぎ(笑)

当然といえば、まことに当然なんやけど、人間は五感(もちろん、すべてが万全に揃っているとは限らない)でもって〈環境〉を知覚します。その際、感性と悟性でもって、その〈環境〉を捉えるわけです。ここで、人間という主体と環境とを対立的ないし独立的に捉えるべきかどうかは議論の余地があります。

このあたり、先日亡くなったセール、さらにはラトゥールによって提唱されたアクターネットワーク理論はこの事態を捉えるうえで有効な視座であると思います。もっと辿れば、東洋哲学(華厳とか禅とか。井筒俊彦の哲学など)も、これに近しいといえるかもしれません。

河合先生の論考は文化人類学としての研究なので、経営学に持ってくるときには別途の考察が必要でしょう。

さて、経営学とは。

では、そもそも経営学とは何なのか。これには正解などありません。つねに状況制約的な暫定解しかありえません。

そのなかで、今日(2019年6月7日)こんな記事を見ました。⬇︎

ひじょうに興味深いです。

STEAMあるいはSTEAMSの中身は、人文(科)学&自然科学。ここに経営学や商学、経済学などの社会科学的な知識や思考枠組は入っていません。

経済学については専門からちょっと離れるので、一絡げに論じられませんが、経営学&商学に限定すると、これらはどう位置づけられうるのか。

私自身は、STEAMあるいはSTEAMSを知りつつ、それらを価値創造(そのために必要な協働のデザインも含む)へと方向づけていく基礎学問として、とりあえず経営学を位置づけてます。つまり〈価値創造と協働の哲学&科学としての経営学〉という理解です。この理解が適切かどうかは、これからも考えてみます。

経営学や商学、経済学って、窮極的には〈道徳哲学 / 道徳科学〉、もっというと関係性の哲学&科学だと思います。上述のように、関係性ってのには人と人だけでなく、モノやコトも入ってきます。

経営学が〈価値創造と協働をめぐる哲学&科学〉であるとするなら、ヒト、モノ、コト、カネ、情報などさまざまなアクターのつながり、さらにはその動態的な姿としてのやりとり / 交換(Verkehr)、そのためになされる創造活動としての転態(Umsatz)がその対象となります。そして、それは単なるやりとりではなく、それぞれの欲望や期待を充たすという状況下におけるやりとりということになります。

これだとマネジメントの問題が含まれないのではないかという意見も出てくるかもですが、それは違います。マネジメントとは、必要な活動の創造と交換、連繋化、それにともなって生じるコミュニケーションです。

さらに、その基盤となる意味の生成や共有といった問題も視野に入ってきますが、ここでは省略して、また別の機会に論じることにしましょう。

経営学で感性を議論の対象とすることは可能か

今まで、経営学において〈感性〉はほぼ議論の対象から外されてきました。サイエンスかアートかという(いささか不毛な)二項対立によってもたらされた帰結です。

経営学が対象とする価値創造実践は感性と悟性の織りなされた時空間です。となれば、この点を踏まえて、価値創造実践のありようを解明する必要があります。さらに可能ならば、価値創造実践をデザインしていくうえでの手がかりを提示していくことも必要でしょう。

今日(2019年6月7日)、価値創造デザインPJ2019の初訪問で、木村石鹸工業さんにお伺いしたのですが、そのときにも「シーンから考える」っていう話がありました。まさに〈シーン〉は、感性と悟性の織りなされた〈光景〉です。

学部レベルでの教育においては、そこを体感的にも論理的にもわかるようになってくれたらなぁって思ってます。そんな考え方で、講義やゼミをやってます。


経営学教育において感性的側面を真正面から採り入れようとする試みは、日本ではあまりないのではないでしょうか(←たぶん、やってらっしゃる先生はいらっしゃって、私が知らないだけだと思います)。私もこれからです。

感性的な抱握と悟性的な問いの統合って、おもしろそうな気がします。

ゼミのようすなどなど

トップにも掲げましたが、水曜日(2019年6月5日)にゼミBBQをやりました。メンバーがいろいろ準備してくれたので、楽しく快適なBBQでした!

そして、木曜日のゼミ(2019年6月6日)は初訪問に向けての準備を。

これからPJも準備段階から具体的な活動段階へと入ります。今日(2019年6月7日)からPJ先への訪問も始まりました。今日は講義がなかったので、木村石鹸工業さんといとへんuniverseさんへの初訪問にそれぞれ同行。

どんな展開になるのか、楽しみです。



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