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「学歴による近視眼」という問題

「偏差値」という指標が、学生の選択肢を狭めているのではないか。
そんな話をします。


「偏差値至上主義」という構造

大卒で、企業に新卒入社した大学生の、3年以内の離職率をご存知ですか?
その割合、およそ3割。高卒の場合は4割です。

参考:新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)を公表します |報道発表資料|厚生労働省

企業に入ったものの、「思っていた企業と違った...」となる人の多さ。この現状、どうにかならないものか。


この「思っていた企業と違った」という問題。いわゆる高学歴と呼ばれる人たちも同じように抱えています。

いわゆる、学歴による近視眼状態に陥る人が増えているのではないか。学歴があるからこそ、自らの選択肢を狭めている人がいるのではないか。そんな風に思える気もするのです。


就職活動において、現在一番大きな影響力を持っているのは、「人気企業」と言えるでしょう。

これは、学校選びという部分からずっと変わらない構造です。

偏差値の高いところが選ばれる。一定の基準に沿って、数値の高い個人と組織がマッチングされる。この構造は学校受験というシステムから始まり、社会に出る時になっても根強く残ります。

ぼく自身、大学までの選択は、主体性に欠けるものでした。今ある自分の現状から、少し頑張れば届きそうな場所を選択していく。そこには自分なりの目的はほとんど無く、偏差値という判断軸で選択していました。

そしてこの構造こそ、社会に出てから抱く違和感の最大の原因と呼べるのではないでしょうか。


所属している大学=学歴が一定以上の人間と、人気企業がマッチングされる。これは、逆に学歴の高い人にとって、選択肢を狭める結果になると思うのです。

良い大学に行っているんだから、人気企業に行くべき。こうした空気感が漂っている環境の中で、一人一人に合ったキャリアの選択など生まれるのだろうか。答えはNOでしょう。


「自分」と「社会」の解像度を高めていくことの大切さ

この現状から抜け出すために大切なことは、一人一人が「自己理解」と「社会理解」を深めていることだと思います。

自己理解とはすなわち、「自分がどんなことにワクワクして、どんなことを嫌だと思うのか」を知ること。

今までの人生を振り返って、自分という人間の特徴を掴んでいきます。昔の一つ一つの出来事に対して「なぜ自分はこの選択をしたんだろう?」と問い続けることで、自分の大事にしている価値観や判断軸が見えてくるでしょう。こうした自己理解を深めていくことによって、社会を自分なりの軸で判断できる素養が身につくと思っています。

多くの人が陥っているのは、好きな食べ物や嫌いな食べ物も良くわからないまま、人気だからという理由でレストランを選んでいるような状況。そして結果的に「好みの料理じゃなかった...」と言っているようなものです。

もちろんキャリアを考えるというのは、そんなに単純な話では無いですが...(笑)

一人一人の個性というものは、学校教育においては尊重されません。
みんなが同じことを学び、同じ試験を受け、進んでいきます。個人の「こうしたい!」という声はいつの間にか恥ずかしいものという認識に変わる。

いつの間にか、自分自身の内なる声と向き合う機会は減っていきます。
しかし、そうした部分こそ、キャリア選択においては非常に重要なんですよね。


そして、もう1つが社会理解を深めていくこと。
今社会がどのように動いていて、これからどう変わっていくのか。そうした部分を、色んな業界を見て自分なりに理解していくことが大切です。

社会が今どのように動いているのか。こういったことも学校では教えてくれません。自分でキャッチアップする他ないというのが現状です。

とにかく自分で足を動かして、社会のリアルを自分の中に取り込んでいく。
ぼくは去年の今頃、色々な企業の方たちに直接会いに行き、その会社のやっていることを具体的に聞いて回っていました。そして、自分がやりたいと思っていることを話すなどもして、軌道修正を繰り返していったのを覚えています。

こうすることで、ぼんやりしていた仕事に対するイメージが、少しずつ鮮明になってきました。実際にインターンとして働かせてもらったりする中で、組織がどのような動き方をしているのかなども、見えてきます。


こうして社会理解を深め、その知識をもとに、自分がどのような仕事を楽しんでやっていけそうかを考える。こうした自己理解と社会理解を何度も繰り返すなかで、自分の生き方に対する考えが深まっていくのだと考えています。これは社会に出る前のみならず、社会に出たあとも同じです。一生をかけて向き合っていく部分ではないでしょうか。

他者への価値提供と、自分自身の幸福感の源泉を定義する

これから社会に出ようとする一人一人は、今までの学校受験と、社会に出ることがいかに違うかを理解しなければなりません。

学びの場においては、与えられる知識を自分の中に蓄えていくこと自体が基本的な目的になっています。しかし、その知識をどう役立てて行くかに関しては疎かになりがち。

学校と社会の大きな違いの1つが、価値を提供する他者の存在があることではないでしょうか。社会に出れば、自立した一個人として、他の人に価値を提供していくことと当たり前に向き合わなければいけません。


「働く」ということを通じて、自分の中の幸福感を満たしてあげる。そして、他者に喜んでもらえるような価値を提供していく。
いずれも、今までの学校生活の中ではフォーカスされて来なかった部分と言えるのではないでしょうか。

職業というものは、他者に対してどのような価値を提供するかの現れです。自身のスキルとして、何を提供するのか。

そして、働くうえでの幸福感を大事にするためには、自分の「あり方」を定義するもう1つの肩書きを設定すると良いと思います。

何をしているのかという「DOの肩書き」に加えて、自分の生き方のスタンスを定義する「BEの肩書き」を設定すること。

ぼくの中には、「人をつなぎ、人とつながる」というテーマがあります。こうした瞬間がぼくにとって幸せを感じる時であり、大事な価値観だと思っていて。

こんな感じで、自分が「どうありたいか」という肩書きを言語化してあげることで、働くということがもっと楽しく捉えられるのではないかなと思っています。

今日はこの辺で!最後までお読み頂きありがとうございます。

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