『偶然性と運命』と『ゲームデザインバイブル』の邂逅

キャリア論の世界で、Planned Happen Stance(計画された偶発性)という理論がある。すごく考え方が好きで、いろいろな人に紹介したし、議論してきた。自分の人生もその手のタイプに収まるだろうと考えていた。しかし、ふとしたときに思ったのだ。そもそも、偶然とはなにか?そして、偶然を必然に感じるときと感じないときの違いはなにか。言い換えるならば、偶然を運命と感じてしまうのはなぜか、どんなときか?ということである。

それを考えていた時に、出会ったのが、『<出会い>の風土学』である。そして、邂逅してしまったのが、木田元の『偶然性と運命』。そして、『ゲームデザインバイブル』。


出会いという偶然の中心問題になる具体から入れたのがよかったのだろうか。偶然性と運命の哲学敵な歴史をまとめてある木田先生の本を読んだときにも、補助線となってスーッと入ってきた。文章を読みながら、過去に自分に起こった偶然とそれが運命になった出会いのシーンを幾度となく思い出した。哲学関連の本でここまで、自分の過去にひきつけて読んだ本ははじめてかもしれない。

それと並行して読んでいたのが、『ゲームデザインバイブル: おもしろさを飛躍的に向上させる113の「レンズ」』。正直、なんでこんな分厚い本が家にあるのか、なぜ買ったのが思い出せなかったのだが、ふと手に取ると、本の分厚さをまったく感じさせない流れのよい本で、文章も非常に誠実で、気持ちがいい。ゲームは体験を創ることであり、その体験のなかに、偶然が含まれている。それをパラメーターでどうコントロールするのか、そのコントロールによってユーザーの体験の質が変わり、しいてはそれがゲームの面白さを決める。偶然さえもゲームの中では、設計される一項目であり、ゲームにある本質的な偶然性はゲームの中と外をつなぐ場にある出会いなのか、ともしれない。と、この3冊をたまたまこの1ヶ月で読んだこと自体が偶然であり、それが日々の営みと結びつくと、これらの本との出会いが運命になっていくのかもしれない、と。

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