在宅勤務と公平世界仮説

在宅勤務全く集中力が持たんな。みんなもそうですか?きっとそうだろ

集中力が元から散漫なのもあって全く仕事が捗らず、つい手が止まってしまう罪悪感から目を背けるために、書くこともないのにこうしてnoteを書き始めてしまった。

ずっと家にいる。休日も家、仕事も半分くらい在宅。でも全然苦じゃない。そもそも仕事があって収入が変わらないというのは大分恵まれている方なんだよな~と世の中の様子を見ていると感じる。ありがてえことだ。

…ということを書いてみて思ったんだけどこの「恵まれている」って表現、不思議だよな。ただたまたま世の中の多くの人が抱えている困りごとが自分の身には起こらなかった、という事実の話だけなのに、それを「恵まれている」と書いてしまうと『自分は何かを施されている』『温情をもらった』みたいなニュアンスになる。ラッキーだっただけなのに。

公平世界仮説という考え方について思いを馳せてしまうな。公平世界仮説とは「世の中、いい人は報われて、悪い人間には報いがあるはずだ」という認知バイアス、思い込みのことを指します。要するに「お天道様は見ているはず」って考え方のことですね。私はこれを信じていない。どっちかというと「努力は必ず報われる」とか「悪いことするとバチが当たる」とか大嘘じゃんね、と思っている方だ。

公平世界仮説を信じている人、というのはその人自身が今まで「公平に判断され、努力や苦しみが報われてきた」という経験があるんだと思う。それはとても素敵なことだ。よかったね。おめでとう。でもそれは、偶然だ。または、環境のおかげだし、誰かそういう「公平」を大切にしたいと思っている人が近くにいただけという話だ。すばらしい。大事にしなね。でも、それはその人にとってそれが真実だったというだけで、それ以上でもそれ以下でもない。

「公平世界仮説」はもてはやされる。頑張り屋のシンデレラは王子様と結婚するし、悪いオオカミは内臓に石を詰められて溺死する。プリキュアは絶対に勝つし、努力したギャルは東大に受かるし、障害者は類まれなる才能を持っている。

世の中が「そうあるべき」だと皆思っている。

というかそうあってほしいのはそりゃそう!!!だって、優しい人や苦労している人だけがみんなから大絶賛されて幸せになってほしくて、業突張りの極悪人なんか惨たらしく死んでほしいもんな。

でも死も不運も別に断罪でも祝福でもなくてただ事象としてあるので、そういうのは全然関係ない。いいことしてても、わるいことしてても、誰だって偶然で死ぬし、偶然に生き残る。私から見た世界は少なくともそうだと思う。

公平世界仮説も私の考えも土俵は同じはずなのに、私のような考え方は不道徳だと言われやすい。でも、そうかな?と私は思っている。公平世界仮説の方がよっぽど乱暴じゃない?

公平世界仮説を信じることで起きるゆがみの例として「犠牲者への批判」がある。「この人がこんなに不幸なのは、前世で悪いことをしたからだ」とか「日頃の行いが悪いからだ」「努力不足だったからだ」とか。世界が公平であることを証明するために、不公平に貶められる人がいる。「それってつまり世界は公平じゃないのでは?!」という反論は公平世界仮説を信じ切っている人にはイマイチ届かない。それは不公平を認めることになってしまうので。歪み~!

こういう「自分が楽しくラクに生きるために信じたくて信じているもの」自体が悪いとは思わない。宗教とかもそうだよな。神様はいないかもしれないけど、いると信じるだけで心が解放されて、生きることのつらさとか難しさと向き合う苦痛がすこし減って、前向きに生きていける。むしろその救いがもたらされるという意味では宗教そのものを神さまと呼んでもいいのかもしれない。宗教に入ることでかけがえのない人間関係が育まれることなんかもあるかもしれないし。自分の人生を自分の手で最高にしていくのは自分しかできないことなので、みんな宗教でもなんでも信じて幸せになっていくべきだと思う。

ただ、他人の人生にまで「私が幸せになった方法(だからあなたもこれで幸せになる)」を持ち込むのはグロいな~~~という感覚がある。公平世界仮説についてはその辺のグロさがあんまり認識されてなくてすごく嫌。他人を自分のものだと抱え込み、一体化しようとする思想なんじゃないの?自我の肥大化では?と思っちゃう。

なんのハナシだっけ…そう、不公平は存在するという話。

不公平をないことにすると、得をする人が「素晴らしいひと」で損をする人が「自業自得」だ、という謎理論を生み出す。そんなわけないんだよな。結果と要因が逆転している。この辺多分資本主義がどうとか貧困とかジェンダーとかの社会学的な視点からいろいろ研究されていたりするんだろうし、そういうのにすごく興味がある。まだ全然勉強してないからすごいバカみたいなこと言ってるかもしんないな。オススメの本とかご存じの方教えてください。

だから、ルールなどの決まり事というのは不公平が存在する前提で作られることで初めて効力を発揮するもんだと思っていて、つまり何かというと、私のような頑張るのがめちゃくちゃ苦手で集中力が続かん人間がいる前提で在宅勤務って組んでいてほしいし、それを怒らないでほしいし、みんな適度にサボりつつがんばれるようなルールって最高だよな だから日報とかみんなせーのでやめにしよ?最悪期限までにきっちり仕事すりゃ別に迷惑かかんないわけだし?ね????


こういう理屈こね回すの普通にストレスの現れなので、やっぱふつうに家での仕事を苦に感じてるな。今日もう年休取ろ。みんなもお大事にな。

今日の仕事のBGMはこれでした めちゃいい


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