Namiheyが「Back come on!」と叫ぶ、納得の事実
Nameheyは「バッカモン!」ではなく「Back come on!」と叫んでいる。この事実を知ると、やはり皆さん驚かれるのではないだろうか。
英語の文を発音する際、単に単語や熟語のみを発音するときとは違い、発音変化を伴う。
例えば、2014年に日本で公開された「アナと雪の女王」の挿入歌「Let It Go」を思い出してみよう。なぜ、サビの発音が「レリゴー」と聞こえるのか。
これは発音変化によって説明できる。
"let"の"t"と"it"の"i"でリエゾン(音の連結)という発音変化が起こり、"ti"「ティ」という発音になる。さらにこの"ti"にはアクセントがない(このフレーズでは、"Le"にアクセントがあるため、"ti"は弱く速く発音される)。アメリカ英語において、アクセントのない"t + 母音"のときの"t"の発音は、滑らかさを優先して"l"に近くなる(これをflap tと呼ぶ)。つまり、"ti"は「リ」に聞こえるのだ。partyが「パーリー」に聞こえるのも、このためだ。
そして"it go"について。t, d, k, g, p, bなどの音の直後に、さらにこれらの音のいずれかがあるとき、前者の音は発音されない。これを音のリダクション(脱落)という。例では、"it"の"t"の直後には"go"の"g"がある。そのため、tを発音した際の「トゥ」のような鋭い音は存在しない。最終的に、"Let it go "は「レリゴー」と滑らかに発音される。
さて、「Back come on!」に戻ってみよう。"Back"の"k"と"come"の"c"はスペルこそ違えど、発音(記号)上では同じ"k"である。つまりリダクションが起こり、いわば「Ba come on!」となる。
このときのように、実は、同じ音が隣り合ってリダクションが起きたとき、前者の音が発音されるはずの時間は「間」(ま)となって、日本語で言う促音「っ」と同じ、無音の瞬間が流れる。スティックをバチッと弾いてボタンを離さず、スマッシュホールドをする、あの瞬間のように(「大乱闘スマッシュブラザーズ」における話です)。
ここまで書けば皆さんもお分かりだろう。Namiheyは「Back come on!」と発音しているが、日本人の耳には、「バッカモン!」と聞こえるだけなのだ。
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