4歳女児の登園渋り改善に関する研究ー朝の生活リズムに着目してー(1日目)

【問題と目的】
娘4歳2か月。疑問をもたずに1歳から保育園に通っていたが、急に4歳になってから保育園を怖がるようになった。
これまで父母である筆者らは娘の降園時間を早めて家庭での時間を増やすなどの試みを行った。その結果保育園を「怖がる」というのは娘なりの説明であり、特に園内の人間関係に問題がないことが明らかになった。また副次的な効果として降園後父母と十分な遊び時間が取れることで就寝時間が早まるなど一定の成果が見られた。しかし朝の登園渋りは改善されておらず、筆者らの業務に支障をきたしかねない状態になっている。
先行経験から、大人よりも子供は食事も支度にも時間がかかるため、急かしても親がイライラし本人もイライラする、泣く、パニックを起こすだけで支度が一向に早くならないことが明らかになっている。そこで親である著者らには家事や自分の身支度を娘を起こす前に済ませることで娘の支度と自分の支度を並行させるという認知的負荷を軽減させるとともに、娘を早く起こして朝の支度の時間に余裕を持たせることが求められている。
 一方で秋以降には父母ともに早朝に出勤せねばならない日も頻出することから、朝の支度時間を現在よりも充分にとれないシチュエーションについても考えておく必要がある。そもそも起床から登園まで時間をとれればとれるだけ良いわけでもなく、テレビを見出す、絵本を読むなどしてだらけてしまいそれが登園渋りにつながることも先行経験から明らかになっている。そこで着目したいのがリックマン(2021)の「リズム」という概念である。リックマン(2021)はモンテッソーリ教育を土台にした育児方針として「リズム」をもって生活することを推奨している。一方で「リズム」は「ルーティン」や「スケジュール」のように分刻みで厳守すべきものではないことも強調している。つまりリズムとは「子どものゆったりとした時間感覚に合わせつつも、親子が互いに見通しがたつような時間設定を行うこと」と解釈できる。
 しかし登園渋りの改善につながりうる「リズム」を見い出すにはまず娘が朝の時間をどのように過ごしているのかを詳細に把握する必要があると言える。そこで本記事では父母及び娘の朝の時間の過ごし方を明らかにすることを目的とする。

【手法】
7月6日から、娘及び父母(父が早く出勤する場合は母のみ)の起床から登園までの時間と行動、様子についてできる限り詳細に記録を行う。主に着目するのは「声かけから起床までの時間」「起床から朝食に要する時間」「朝食に要する時間」「身支度に要する時間」であるが、その際の発言や行動も重要な情報である可能性があるため(筆者の本業に支障の無い範囲で)できる限り記録を行う。基本的には14日間記録を行うが、一定の規則性を見出せない場合は延長する。またこの記録は筆者が急に面倒になり中断される可能性も(大いに)ある。

【7/6】
5:20 父母起床、洗濯、身支度、父朝食、出勤。母お茶を飲む、メールなどの仕事、身支度。
6:45  声がけ
7:15      目覚め。母がすでに着替えていることに憤慨し泣く。母当初は着替えを拒否するも再度パジャマに。さらにスキンシップで落ち着く。
7:20  起床。
7:50ー8:10 朝食。母が全て作る。トロプリを音声だけ聴きながら。途中腹痛を訴えて中断しそのまま朝食終了。
8:15  保育園が怖いと言い出すが、七夕の短冊を飾ってニコニコの写真を撮ろうというと持ち直す。洋服選定、着替え、髪むすび、歯磨き、洗顔。「遅刻しないように廊下で着替えよう」という本人の発言。
8:45  出発。
8:55  到着。非常に機嫌が良い。


【参考文献】
エロイーズ・リックマン(山内 めぐみ/訳)(2021)「モンテッソーリ式おうち子育て  -自己肯定感が育つ遊び方、学び方-」ダイヤモンド社,東京



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