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わたしを作った◯◯5つ


僕はかなりのTwitterユーザーなので、ある程度のトレンドについてはキャッチしているつもりです。

少し前に「わたしを作った〇〇5選」みたいなのが各種登場してタイムラインを賑わせてましたね。わたしを作ったテレビドラマ5本、とか、わたしを作ったミュージカル5本、とか。


ちょっと面白そうなので、僕もやってみたいと思います。でも、Twitterではやらないのね。なぜかnoteでやる、という。笑

ではいってみよー。


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わたしを作ったあの時の食べ物 5選

・小学校高学年の土曜日に作ったサラダパスタ

学校が早く終わる土曜日、昼間にご飯を食べに仕事場から帰ってくる母のために「よし、何か作ってあげよう!」と思ってサツマイモとかきゅうりとかを使ったサラダパスタを作ったんですけど、それがまあマズくてマズくて。

そのマズさに強い悔しさを覚えて、そこから僕の料理への探求がはじまったと言っても過言ではないのです。いまの料理好きの人生は、あの日の失敗サラダパスタが作ったわけだ。


・高校1年生のときに食べたイル・キャンティ

ちょっとこれ、書くのが恥ずかしい感じもするんだけど、高校生1年の頃僕は少し年上の方とお付き合いをしていて。で、その方がデートで連れていってくれたんですよ、甲府にあるイル・キャンティというイタリアンレストランに。

地方都市の高校1年生なんて、よほどの家に育たなければただのじゃりガキですから、そのときの料理の美味しさにたまげましてね。ゴルゴンゾーラのニョッキ!なんかすごいぞドレッシング!

「美味しいものっていうのは、こういうところにこないと食べれないんだな」

という強い刷り込みを受けたのがそのときだった気がする。

ところで甲府のあのイル・キャンティは、東京の笹塚界隈にいくつもあるイル・キャンティと同じ系列なのかしら?


・大学2年のときに食べた緑色のサラダ

高校3年の頃から大学受験のために東京へレッスンに通う生活をしてたのです。そのとき、最寄駅から先生の家までの道沿いにあるレストランがずっと気になってて。

大学に入ってからもその先生のところに定期的に通ってたから、何度もそのレストランの前を通ったんですけど、田舎者の僕はついぞ入る勇気がなくて。

ようやくそのドアを押す決心がついたのはたしか、大学2年の実技試験終わりで、自分へのご褒美というか、いいレストランにひとりで入れるぐらいにちょっとひと皮剥けたるで自分、みたいな意味もあったんだと思う。

わからないことだらけのなか、なんとか注文を済ませて、いちばん最初に運ばれてきたのがサラダ。それも、全部緑のサラダ。

葉物はもちろんなんだけど、ゴーヤとか、緑色の大根とか、ちょっといまでは詳細を思い出せないんだけど、各種さまざまな「緑色の野菜」ばかりを集めたサラダで、ドレッシングはオイルとビネガーだけのシンプルなもので、それはそれは美味しくて。

「こんなに美しい食べ物が世の中にはあるのか」

と感動したのでした。

そのレストランにはそのあと足繁く通い(いっときは月5回はいってたな)、いまでも時折お世話になっている大切なお店になりました。


・森シェフのペペロンチーノ

大学時代には2軒のイタリアンレストランでバイトをしたんですが、2軒目にお世話になったお店のシェフの名前が森さん。

もともと常連、とまではいかないけれどけっこうそのお店に通っていたお客だったんですが、まあひょんなことから働くことになり。

いろんなペペロンチーノをこれまで食べてきたけど、森シェフのロンチーを超えるロンチーには出会ってきてないですねぇ。塩加減と、ニンニクの具合が抜群なのですよ。

森シェフのロンチーを召し上がりたい方は、東京は要町の「ベッラルーナ」というお店にどうぞいってみてくださいな。ぶったまげるから。


・セブンイレブンの三陸産わかめとお揚げの二八そば

僕、たくさん食べられるタイプじゃないし、特に朝はさっぱりしたものじゃないと胃が受け付けないのです。

公演期間中のマチネの日なんかは、ギリギリまで寝て身体を休めたいし、でも本番前にある程度しっかり食べなきゃ体力が持たないしで、コンディション整えるのにいつも苦心しているわけです。

そんなとき、僕の味方になってくれるのがセブンイレブンの「三陸産わかめとお揚げの二八そば」。買って劇場入りすれば楽屋でゆっくり食べられるし、お蕎麦はさっぱりしてていつでもいけるし、なにより美味しいんですよ。わかめがうまいの。

いくつもの公演でお世話になったと思うんだけど、時期によっては売ってないことがあって残念。夏場は販売してないのかしら。通年で取り扱って欲しい。切実。


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わたしを作った漫画家 5人

・榛野なな恵

僕の97%は榛野なな恵でできているといっても過言ではないのです。なんど「papa told me」を読み返し、なんど「ダブルハウス」のページを手繰ったことか。

小学生の僕に多くのことを教えてくれた漫画家であり、同時に、小学生の僕に多くの(ある種の)呪いをかけた漫画家でもあります。

今でも大好きだー papa told me

・槇村さとる

槇村さとるさんの漫画も小中高と何度も読み返しているけれど、もしかしたら、歌手・俳優としての僕にとっては榛野なな恵よりも槇村さとるさんから受けた影響の方が大きいのかもしれない。(なぜか槇村さとるはさん付けで、榛野なな恵は敬称略なのだ)

愛のアランフェス、ダンシング・ゼネレーション、白のファルーカ、勝手にしやがれ、まみあな四重奏団。

あと、料理好きとしては、おいしい関係からもめちゃめちゃ影響受けてる。千代ばあは心の師。

・大和和紀

これまた小学生時代に「あさきゆめみし」を読んだ時の衝撃といったら……!

・吉野朔実

少年は荒野を目指す。エキセントリクス。恋愛的瞬間。ぼくだけが知っている。

この辺りを混ぜてよしなにすると、だいたい僕みたいな人間ができあがります。

・宮崎駿

ちょっとこれはイレギュラーなのですが、「風の谷のナウシカ」の原作漫画はやはり、すごい力を持っているのです。

もちろんジブリ作品にもいくつも好きなものはありますが、例えばお坊さんが行う数年に一度の行みたいな感じで、僕も「あ、そろそろナウシカ読み返さなきゃな」って思うときがくるのです。

なんでなんだろう。


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わたしを作った挫折 5つ

・保育園の父の日

これは「挫折」というのかよくわからないんだけど、「ああ、自分は他の人とは違うんだ」と実感したことを鮮明に覚えているのがこの記憶。

父の日に合わせてみんなでお父さんの絵を描きましょう、となるんだけど、僕はそのころ母子家庭だったから描く人がいないのね。

叔母の旦那さんの絵を描いて、それを渡したような記憶があるのだけど、大人がちょっと気を使ってるのを感じて、僕も僕なりに「父の日ごっこ」をしたような。


・保育園の卒園のアルバム

これも挫折というのか微妙だけど。笑

卒園アルバムの質問コーナーに、「将来なりたい職業」とか「好きな食べ物」とかと並んで、「好きなおともだち」っていう項目があったんですよ。で、僕はそこに「たかふみくん」って書いたんだけど当のたかふみくんは全然違う人の名前を書いていて。笑

もしかしたら「仲のいいおともだち」という質問だったかもしれないけれど。

ああ、僕がどれだけ思ってても、相手はそうじゃないってことがあるんだなと学んだ瞬間でしたね。


・中学校の生徒会選挙

たしか僕は副会長に立候補したのだけれど、見事に落選しまして。

演説の内容なんかはかなりうまくいったと思ったのにダメだったんですよ。なんだ自分、人気ないんじゃんと思い知った14歳。

それで書記かなんかで生徒会に入るわけですが、はじめて新しい生徒会メンバーで集まった顔合わせの時の自己紹介で悔しさの裏返しか、「新しい視点を持ち込んでどんどんかき回していきたいと思います!」とか言ったんですよ。ああ、痛いヤツだ……。

でも、そういうスタンスってじつは今もあまり変わっていなかったりして。


・2011年2月19日 トッパンホール

これは大学生の時。ルネ・パーペという世界的に大活躍しているバス歌手のリサイタルを聴きにいって、その声の深さ、声量の豊かさ、音楽的な品質の高さに圧倒されて、自分に対しての自信を一切失ったんですよね。

ああ、世界を目指すのは、僕には無理だ、と心の底から思った瞬間。

でもだからこそ、その落ち込みから立ち直ったあとに、演奏会の自主企画をやってみたり、人のコンサートの運営周りを引き受けてみたりしていろんなことを学んだわけなので、この挫折も一つ、いまの僕を構成する大切な要素です。


・2020年2月29日 日生劇場

新型コロナウィルス感染拡大の初期の初期。政府からの要望の影響で「天保十二年のシェイクスピア」の東京千穐楽公演が中止になりました。

だけど、客席にお客様を入れない状態で映像収録をしたんですね。

人生で初めての出来事だったけれど、なんというかあのときの木場勝己さんの口上と、空っぽの劇場に向かって上演を終えたあと、日生劇場のスタッフさんやカンパニーの裏方スタッフさん全員も含めて舞台上に集まって写真を撮ったこと。

あれは忘れられないですね。


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わたしを作った本 5選

・「14歳からの哲学」

哲学者で文筆家の池田晶子さんの名著です。まさに中学生の頃、学校の図書館で出会って、そこから僕の哲学への興味がずずずいっと広がっていったのでした。

・「ダンス・ダンス・ダンス」

村上春樹を読み始めたのは高校の頃。

踊るんだよ。

音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。

踊るんだ。

踊り続けるんだ何故踊るかなんて考えちゃいけない。

意味なんてことは考えちゃいけない。

だいたい、そのようにして生きてきた実感があります。

・「娼年」

石田衣良も高校時代にたくさん読んだ気がします。その中でもこの娼年という本は重要で、当時の僕はこの本との出会いから愛と性のかたちの多様さを理解した気がします。

・「人間の建設」

岡潔と小林秀雄、ふたりの知の巨人の、じりじりとした対話。この本から学ぶことはたくさんある。

・「ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ」

藝大受験を決めた高校生の頃、日本人音楽家のエッセイをたくさん読んだ時期がありました。この本はバス歌手の岡本喬生さんの著書。いろんな刺激をもらったなぁ。

この本を読んでから、ドン・カルロのフィリッポが歌う「ひとり寂しく眠ろう」というアリアが人生をかけての憧れになったのです。


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わたしを作った破滅衝動の昇華の仕方 5選

・うたう

・可能な限り誠実な言葉を使おうと努力する

・料理をする

・本を読む

・オシャレをして街を歩く


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明日もいい日になりますように!




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