【いそがしいとき日記】その36
世の中がにわかに動きはじめました。
僕はといえば、それほど忙しいというわけではありませんが、ポツポツと予定が入る日も出てきました。
2〜3ヶ月、家にいて自分のペースで、何にも追われることなく生活をしていた分、世間のペースに合わせて行動することに慣れないでいます。前はもっと盛り沢山なスケジュールの波の間をザッパザッパと泳いでいたんだなと思うと信じられない気持ちです。
5月23日に配信しました「山野靖博&川島茂デュオライブ Vol7」ですが、先週の日曜日にボーナストラックの収録を終え、現在編集作業中です。問題なく作業が進めば再来週にはみなさんのお手元にお届けできる予定。いましばらくお待ちください。
僕のスケジュールは、事務所と共有しているカレンダーアプリで仕事についての予定を管理し、自分のiPhoneとMacのApple純正カレンダーアプリでプライベートの予定を管理しています。
事務所とのカレンダーアプリではここ数ヶ月、入っていた予定がガシガシ消されていって、その通知に少し寂しくなったりしました。
外に出ることもなかったため、自分からカレンダーを見る機会もかなり減っていたのですが、いまプライベート用のカレンダーを見たら、金曜から今日まで「ロイヤルシェイクスピアカンパニー」というリマインドが入っていて、ああ、本当だったら来日してたんだなぁとこれまた切ない気持ちになりました。
11月のイヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出「ローマ悲劇」は来日どうなるのかなぁ・・・。ぜったいに見たいんだけどもーーーー。
といいつつ、劇場も少しずつ稼働しはじめましたね。
各所、いろいろ探りながら、試行錯誤しながらの再スタートですが、僕はまだ演劇の劇場には行けていません。映画館には行きました。
映画は、Amazonプライムを利用して家で観ることも多いんですけど、やっぱり劇場空間での映画は趣が違う。そう感じます。
もしかしたら劇場空間が恋しすぎて過大評価しているのかもしれないけれど、スクリーンの外側には僕の日常とコネクトすることのないものたちで埋め尽くされている分、スクリーンの内側だけに集中することができる。
iPhoneの液晶に映された映画は、その場面のどこを観るのかを選択するのにわずかな眼球運動だけで済みますが、映画館の大きなスクリーンだと同じ行為が、より大きな眼球運動、ときによってはわずかな首や顔の運動も伴う必要があります。
隣(といっても一席飛ばしだったけど)の席の人の身動ぎ、笑い声、どこかから聞こえるビニール袋のガサゴソという音。ときにそういったものに集中力をそがれつつも、僕が笑った場面で他の人の笑い声も聞こえると、自分自身の体験の濃度が2倍にも3倍にもなったり。
知り合いの演劇ライターさんがひさびさに寄席にいったあと「拍手をすることの喜び」というようなことを書いていたけど、確かにそういうことはあるんだろうな。僕が観たのは映画だったから、まだ拍手はしていないけれど。いいなあ、拍手、したいなあ。
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あと1ヶ月弱で、31歳になります。
30歳のうちに写真を撮っておきたいなと去年ぐらいにふと思って、大学時代の友人であるカメラマンのTくんに声をかけ、5月に撮影をすることになっていました。
でも、まあ、昨今のあれやこれやで一旦延期にすることにしてたのですが。
状況が落ち着いてきたので、このあいだの月曜日に撮影をしてきました。
じっくり準備する時間があった分、とても楽しく満足のいく撮影になりました。
カメラマンTくんと、僕と、そしていつも髪を切ってくれてるこれまた友人の美容師にヘアメイクを依頼して、3人での撮影でした。ちなみに美容師の彼は、僕が出演した「天守物語」や「ヤマガヒ」のヘアメイクも担当してくれてました。
Tくんに写真を撮ってもらったのは2015年の5月以来。じつに5年ぶり。会ったのもそれぶりです。わお。
その間、Tくんはフリーとして活動の場を広げたり、子どもが生まれたり、なかなかの変化があったようです。業界ではすでに有名人で、相当忙しく働いてたみたい、今年の2月までは。
5年経ってあったTくんは、ずいぶんと技術も上がっていて、なんか凄腕のカメラマンになっていました。事実、いい写真たくさん撮れた。
でも、僕自身の変化もあったろうと思います。写真を撮られることやポージングにいくらか慣れた、という要素もあるでしょうが、それよりも人間としてそれなりに経験を積んできたんだなぁ僕も、っていう感じがありました。
それは、写真にうつる表情とか空気感とか、そういうところで。
ヘアメイクを気心知れた彼に頼んだのも大正解でした。終始、リラックスしつつ、でも「いいもの作ろうぜ」という喜びみたいなものが渦巻いている時間だったな。
これは写真選定中の画面。何かのタイミングでお披露目できるといいなーと思ってます。
ところで、こうやって写真を撮っておくのって大事だなと思いました。
宣材になるっていう意味もあるけれど、そのときの自分がどういう感じだったのかを記録に残しておくというのは、あとあと、財産になる気がして。
可能なかぎり、毎年1回はTくんにお願いして、写真を残していけたらいいなあと考えています。
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梅雨に入って雨がちだからか、ここ数日はなんだか身体が重くて。読みたいものも書きたいことも溜まっているのに、どうにも食指が動きません。
でもまあ、そういうときもあるよなー、これまで読んだり書いたりたくさんしたもんなーと思ってのんびりしてます。漫画読んだり、ゴロゴロしながら映画観たり。
けっきょく3月から6月までの3ヶ月の外出自粛期間で、4kg弱ぐらい太れたことになります。いままで履いてたジーンズのウェストがキツくなって、嬉しい反面、ちょっと悲しい気持ちにもなったり。笑
我が家の家系かほっぺたに肉がつきやすくって、ただ太るだけだとすぐに顔が丸くなるようなので、ここから先は様子を見ながら、トレーニングの分量を増やしつつ増量していく感じになるのかな。
子どもの頃の僕はひいおばあちゃんのぽよぽよとしたほっぺたが大好きで、よく触らせてもらっていたようです。晩年寝たきりになって身体は痩せ細っても、ほっぺのお肉はたぷたぷしていた記憶があります。
僕もきっと歳を取るごとに、あのたぷたぷほっぺに近づいていくのでしょう。げに面白きかな血筋。