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「Not for me.がない場合」の話

「僕ね、いわゆる『Not for me.』ってないんですよ。

いや、『Not for me.』知らない?
僕、ボードゲームやってるでしょ?前々から言ってる。
それで使われるような言い回しで。
いや、ボードゲームだけってことでもないらしいんだけど。

『Not for me.』
つまり
『自分には合わないよ』ってことで、

その、ボードゲームっていうのは、いわゆる人生ゲームとかUNOとか、
まあ、ボード上で、机の上でやるゲーム全般をボードゲームっていって、

それでつまり『Not for me.』っていうのは、
ゲームの中でも、とにかくいろんな種類があるからね。
どうやったって苦手なタイプのものとかあるわけで。
で、単純に『嫌い』とか『よくわからん』とか『難しい』とか
軽々しく言っちゃったりすると、場がしらけるわけよ。

ま、ここらへんはエチケットの問題ともかぶるけども、
ま、自分的には、しらけちゃうな~みたいな感じで、
とにかく『楽しむ』目的のものをぶち壊しちゃうって可能性もあるわけ。

ぶち壊すのは簡単だからね。ただ、そこから造り上げるのは
ちょっと気を入れないとっていうのもあるわけ。

で、ああ、何の話?
ああ、それでね。『Not for me.』
こういう意味なの。
『このゲーム、合う人には合うだろうけども。私にはちょっと合いませんでした。
でも、せっかくコレを紹介してもらって、ありがとうございました。』って。
ほらね。角が立たないわけよ。

人間好みは十人十色ってよく言ったもんでね。
細かな見えないグラデーションの中で生きてるわけでさ。
その中で『Not for me.』って、すっごく便利で、
人間関係を円滑に進められる魔法の言葉ってわけなのね。

で、ここから、さっきの話。
僕には『Not for me.』は、ないんですよ。

いや、もちろん自分にも『苦手分野』みたいなのもありますよ。

たとえば、『協力モノ』。
つまり、個人プレーじゃなくて、居合わせた人全員がチームでひとつの目標をクリアしていこうってやつ。
ほら、このあいだ付き合ってもらった『パンデミック』とか『HANABI』とか。

はっきり言ってね。自分では、そんな率先してやんないタイプでさ。
どちらかといえば争いたい性分もあるわけ。
多少嫌がられても、ゲームには勝ちたいなっていうのもあって、
いや、それは『楽しむ』目的を逸脱してたらどうかと思うけども。
とにかく、自分ではそういった『協力プレー』は好まないとは思う。

でも、実際できちゃう。
楽しいもの、実際。
『Not for me.』なんて信じられないよね。

あと、『正体隠匿系』みたいな。
ちょっと言葉難しくは言ってるけども、まあ『人狼』的な。
このあいだので言ったら、『スパイフォール』とか『タイムボム』?
ほら、全然知らないグループとも混ざってワイワイやったアレ。

やっぱり、悪玉役はドキドキするよ。
そりゃ、大嘘こいて人と接するなんて日常ないでしょ?
ホント他人の目を盗んでなんてよく言ったもんで。
『バレてない?』『俺、市民然としてる?』
こんなのヤダよ。それで逆の立場だったら疑わなくちゃなんないわけでさ。

でも、やれちゃう。
ほんと。スパイ然。
『Not for me.』の話どっか言っちゃってるけども。

あと、『ワーカープレイスメント』。
僕もゲームやってなかったら使わない言葉だよね。
基本的に、自分の部下を遣わせて仕事してもらって、自分の村とか国を繁栄させましょうってやつ。

とにかくね。プレー時間が長い。
1~2時間っていうのはザラで、4~5時間。
シナリオモードみたいな。続き物でやってくと何十時間の世界。
ほんと『ドラクエ』よ。『ドラクエ』をわざわざ駒とか使って机上でウンウン苦しみながらやんのよ。

ただね。それもね。苦しんでるのが楽しい。
頭使うよ。知恵熱出ちゃう寸前までいくけども。
そこでなんとかして課題をクリアするってね。
文化系で来てた僕にも味わえるもんだと思わなかったね。

そう、自分のスキルとか、理解度とか、センスとかあるだろうけどもさ。
やっぱりゲームを『楽しむ』っていうのが一番の主題でさ。
『Not for me.』に行き着かないのよ。僕ね。
行き着く前に、もう盤面上で楽しんじゃってるわけ。

でも、それはそれで問題なのよ。
つまり、僕には『Not for me.』はない。
ただ、居合わせた方には『Not for me.』あるよ。みたいな。
そういった意思疎通問題は往々にしてある。あるけどもさ。
これはもう、お互いの問題になっててさ、ゲーム自体の問題じゃなくなるのね。

例えば『俺ハシャギすぎてない?』とか
『お昼に食べた豚骨ラーメンくさいかも?』とか
あと相手も『今ちょっとお腹空いてるかな~?』とか
『あ、エアコンの電気消したかどうかどうも気になる』とか

とにかく大抵は、ゲームとは別のところの問題でさ。
それホントに『Not for me.』でした?って。
そうなると、もうこっちとしては『私が全て悪うございました』みたいな。
そういう思いになることはしょっちゅうだけども。
それはゲームのせいだった考えって思っちゃうね。『Not for me.』とか。

いや、そうやって自分の面目保つみたいなのものわかる。わかるけどもさ。
こういうやつもいるよー、って言うのも分かって欲しいのもある。
いるよー。俺『Not for me.』ないよー、って。
『Not for me.』自慢みたいなのも。
自慢の自覚のない自慢ってアレじゃない?

いや、ゲーム楽しいよ。ほんと。
今度また行きましょう。」

彼はそう雄弁と語っていたが、
私は心の隅でこう思っていた。
「この人、『Not for me.』の発音を『ノットフォーミー』じゃなくて『ナッホーミー』って言うなー。」

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