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【#一分小説】適音《第十六話》

 銀色の砂時計を傾けて間を潰したかと思えば、潔く謝る。
 飲みかけのコーヒーは、カップの淵を中心から逸らすように自らを浸す。
 とても良いことであるとは願いたいのだろうけども、とも取れる顔なのだから。

 過信するものだということ。
 これだけ心にとどめるだけでなんと豊かな事か。

 肝心なのは、心にとどめるということ。
 過信する者。過信する者をすぐさま咎める過信する者。過信する者がいることを承知ながら過信する者。これ全て同罪である。

 そんなに含蓄晒したくば、せめてその卓からは離れて、野っぱらで人知れず小便垂らして宣えばよいではないか。

 それは、自白と考えて宜しいですね?

(つづく)

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