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女の萌え


萌えよ剣


司馬遼太郎作・燃えよ剣。
例に倣って未読ですが、新選組の話ということで大体想像がつきます。


土方歳三と沖田総司がカッコいい話なんでしょ?

なんですか、「バラガキのトシ」とは。

バラガキとは乱暴者、という意味ですけどね。
土方歳三はそのカリスマ性と色男っぷりから、腐女子に散々喰い物にされています。
薔薇餓鬼のトシ、ですって?
おおいやだ。

薔薇とはBLの隠語です。
百合はGLね。

更に、燃えよ剣、とググると、萌えよ剣、という新選組を題材にしたパロディが出てきます。


既に使い古されたネタということですね。


適当にカレカノの考察を書いていて一つ思い出したことがあるので、今回はそのことについての話です。



萌えというスラング


萌えというスラングがあります。
植物が萌えいづるような、炎が燃え上がるような、腹の底から湧き上がり、生命力を思わせるなんとも言えない衝動・情動のこと。
推しという感情の原動力になっています。

主にオタクが使うので、あまり良い印象はありません。
古典的なオタクの出で立ちをした男子が両手にサイリウムを持って、可愛い女の子のイラストを見て
「萌えーーーーーーーっっ!!」
と叫ぶのです。

彼らは、オタク友達のコミュニティー内でお互いを「○○氏」と呼び合うような感じの。
相当古いですね。

ちな、この「〜氏」の呼称は歴史上の人物から来ています。
藤原氏とか足利氏とか。
語呂が良いからですね。
既に廃れましたが、教養の入口的な感じですね。


女オタクの間でも、「○○氏」呼びは密かに存在しました。
殆どが「俺女」
自分の一人称を俺にする、ちょっと調子こいた感じの女性です。
これらは黒歴史として扱われ、全ての流れが彼女達の中で封印されている筈です。
そういうものです。

何故、俺女が流行ったのか?
実は僕女も存在します。
ボクっ娘というには、少し容姿が残念な感じの。
そして、何故彼女らはいつの時代も自然発生するのか?


ノリです。
漫画の影響かな。
男主人公の口調を知らず知らず真似してしまう。
しかし、これは誰しも通らねばならぬもの。
そうしないと、大人の階段を上れない。


こういった仕草を「イタい」という言葉で片付けるのは簡単ですが、何故こんなことが起こるのか?という分析をしないと、精神は成熟しません。
笑い話で済ませれば平和です。
たまに、何故か笑えないことが起きます。
こういったコンテンツを嘲笑する人が、知らず知らずもっと「イタい」失態を晒している様子も時折見られます。

結論から言うと、10代・20代前半に多く見られる厨二仕草は「失敗の練習」と言えます。
若い内の未だ許される段階で醜態を晒し反省した後、社会に出てからそれなりのインナーアダルトを形成し、なんとなく上手く渡り歩くのです。

限度はありますが、全てが「若かった…」という言葉で許される。
シャア・アズナブルも言っています。
「認めたくないものだな。自分自身の、若さ故の過ちというものを」
シャアは想像を絶するような不幸な人生を渡り歩いているので、アムロと比較すると精神が成熟していると言えますが、若年からくる己の青さからは逃れられない、とぼやいているのですね。

これはカッコつけであり、常に背伸びをして生きることを求められたシャアは達観しているが故に自然にこの言葉が出てきますが、普通は出てこないです。

羞恥に身悶え
「うおおお〜!恥ずかしい!」
と布団の中でバタバタする。
騒ぎ疲れてしばらくした後、誰かにポツリと言われます。
「若かったねえ」
そこでやっと、若さのせいにすることで羞恥と向き合うことに成功し、落ち着くのですね。


まあ、その話は良いです。
腑に落とす迄に身悶えて苦しむのは夜の布団の中で。
悲しさは、墓場へ持っていくことにする。
夜は墓場で運動会。
えっちな意味ではないですよ。
布団の中でマラソンをして、黒歴史の供養。

表向きは知らないフリをするしかないですよ。
シャアの真似事でもしながら。
三倍の彼の、その更に三倍以上の見栄を張りながら。
そうすることで、プロトタイプへの進化が可能になります。


そして、萌えという感情は黒歴史発生の原動力になりやすい、という。


女の萌え


私も女なのでよく分かります。
女漫画家が密かに抱く、萌え。
作品の執筆中に、自キャラに萌えてしまうんですよ。
恋に似た感情を抱く。
そしてキャラに陶酔し、物凄く善寄りに描いてしまうのです。

先の記事に出した彼氏彼女の事情の作者、津田雅美は最初は雪野の気持ちで漫画を描いていましたが、徐々に総一郎に惹かれていきます。
男性キャラが大好きになる。
そのブースターとなったのが、つばさ編です。
一馬を始めとする陰陽のメンバーが超大好きに。
恐らく、マーティン様!ァァァァァ!!
と叫んでしまう熱烈なファンの心境に陥ったと思います。
それで自慰とかはないんですけどね。
たまらなくなって、自分の描いた絵を見てうっとりします。
自分の描いた漫画を何度も読み直して、「はあ…、いい♡」と堪能します。
それだけなんですけどね。

その影響で、総一郎と怜司がとんでもなく美化されて有馬編が描かれました。
BLではないです。
単体萌え。
とにかく、ずっと見ていたい気持ちになる。

それが女の「萌えーーーーーーーっっ!!」です。


中には、そこからBLに転じてしまう人もいます。
そこで分かれ道が出来る。
可哀想なグンマ様。


鬼滅の刃の吾峠呼世晴先生は実は女性ですが、恐らく萌えの対象となったのが天元さんと善逸ですね。
「超かっこいい♡」
「可愛い♡」
と思っていたと想像します。
炭治郎に自分の理想を重ねつつ、伊之助もとても楽しんで描いていました。
が。

同じことを考える人は大勢いました。
鬼滅の同人BLのメインカプは
宇髄×善逸

忍たま乱太郎の、土井先生×きり丸の延長線で描かれています。

それで先生は一気に冷めた感じですね。
BL妄想はしてなかったですけど、なんか…すごくいやだ!という訳で、それらが完結まで突っ走る原動力になった感じがします。
ペンの呼吸・壱の型 ミニキャラ飛ばし!
遊郭編が良くなかった。

忍たま乱太郎は、あまり違和感はないんですけどね。
きり丸は美少年という設定で、土井先生と一つ屋根の下に住んでいます。
更に、忍者・御庭番は偉い人の慰み者にされることが多かった為、衆道はごく自然な流れです。
とはいえ、土井先生がきり丸に手を出していたら何か嫌ですけどね。
精々、銭の為に身売りしたきり丸の秘部を、見かねた土井先生が手当をしてやるくらいでしょうか。
確かにきり丸は可愛いですけどね。


萌えと弑逆心は表裏一体です。
好きな子ほどいじめたくなるという心理が、そんなところで働いてしまいます。
BL妄想は、隠れた二次元イジメです。
痛々しいのが多いですし。
現実で狼藉を働くことは出来ないけれど、紙面上の、あくまでも創作の中で酷いイジメをしてしまう。
そういうタイプの人が、女には大勢います。
「可哀相な展開」ということで、ある程度は誤魔化しが利く。
最後は幸せにしないと…救われぬ。


残念ですが?これは耽美な世界として扱われています。
現実では大人しくしています。
しかし、どうしても深層心理に潜む牙が隠せなくて、創作の世界で血を見せてしまうのです。
実害が少ないため、平和と言えます。
しかし、たまにやりすぎてしまう人がいる。
故に、私はBLを受け付けません。
そっとじです。


イケメン好きの心


イケメンが好きなのは、女の本能です。
好みのタイプを見かけたら、二次だろうが三次だろうが推します。
これは、プラトンのイデア論からくるものです。

プラトンのイデア。
対象の奥底に、自分の理想とする姿を見出してしまうもの。
神霊界に理想とするテンプレートが存在し、それを追い求めてしまう。

高校倫理で、先生にそのように習いました。
その通りだと思います。
とおかみえみため
理想の黄金郷の類似。

砂山先生は
「例えばね、キムタクはカッコいいでしょ?キムタクは天界に存在する最高の理想像を投影しやすいと言えるの。どこかが。だから、みんなキムタクを見ながら同時にキムタクの奥にいる理想の偶像も見つめているんだよね。」
と話していました。

私はキムタクは面白いキャラだと思っていますが、普通のイケメンだという見方でいます。
恐らく実物が側にいたら「うっ、オーラが!」となるでしょうけれど、画面越しだと良く分かりません。
若い頃のノリだと支持されやすかったでしょうが、年齢を重ねるにつれてキムタクは魅力のアップデートをする必要があるのではないでしょうか、と。
つまり、貫禄をつけるべき、という。
中年を越えた現在、キムタクは既に旬を過ぎて娘さんにしかモテなくなっているんですよ。
「近くにカッコいい人がいてさ。他が霞んじゃって」
という、イケメンの親族を持つ女の悩みあるある。

SMAPも解散しちゃったしさ…。
しょうがないけど…。


ちな、やっぱり工藤静香はイイ女だと思っています。
小耳に挟んだ噂では、「座っていられないんだよね。体が動いちゃう」とのこと。
気滞ですね。
エネルギーが余って仕方ない人。
恐らく、家の中はすごく綺麗です。


それは置いといて。


イケメンコンテンツは色々ありますが、どうも好みと合わなくて深く調べられません。

とうらぶも、ゲームシステムが苦痛で投げちゃいました。
推す程の人がいなかった。
三日月は?
いや…普通…。
最初は山姥切国広を選んで、なかなか良いキャラだ。設定も良き。山姥切長義と一緒にパーティを組んで…と楽しみましたが、推すほどではなかったんですよね。

一期一振は良いと思いましたが、なんかパッとしない。
太刀ばかり使ってしまう。
明石国行と小烏丸は良い。
しかし地道に育てる程、元気がなかったのです。
蛍丸が出ない。
それで気持ちが折れました。


とうらぶは絵師さんが複数いる上に、複数の年代に向けて敢えて狙っているので色んなキャラの転生体が多いです。
何とは言いませんが。
加州清光が好きな人は、進撃の巨人も好きなんじゃないの?とか。
清い目をしたリヴァイに見えるのだが…。

長谷部、過去にロイ・マスタングとか御剣怜侍とかやったんじゃないのか?

結局、イケメンのテンプレートは既に出尽くしている感があります。
とうらぶはその見本市、という。


私はというと、その辺は脱してしまった模様。
何故って、霊媒で神霊界の自分の理想像を見てしまったからですよ。
現世に伸びた影・巫覡の姿は、少し不純物が混じっているので本体と比較するとときめかないのです。


死後の世界に赴いた人は、殆どがそうなります。
「本体のほうがずっといいな」

この歌の通り。

見慣れた景色に潜むイデア

無意識バイアス

変幻のマンダラ

破壊と想像の幾何学模様



なんだよ。
理想像に萌えちゃうのかよ。

その通りです。

いつだって、現世では夢をみているのね。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。



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