教員の夢が学生の学びにつながっていく
国際コミュニケーション学科のデイビッド・プルーカ・David Prucha先生は今、ホップを栽培し、地ビールをつくるべく奮闘しています(見出し写真右から4番目)。ゼミの学生とフィールドにうかがいました。
プルーカ先生は、オレゴン州ポートランド出身です。約20年前に来日し、山梨県甲府市の山間にある集落に移住しました。リタイア後は、故郷のアメリカでログハウスを建て農業を楽しむつもりだったというプルーカ先生。それを全て売って、畑や苗、資材、設備の購入につぎこんだそうです。当初はアメリカから輸入したホップを作っていましたが、最近では地元産のホップも作り始めました。地ビールの醸造施設もDIYでつくりました。さらに醸造施設の見学スペースやセミナーハウス、バーベキュースペースまですべてDIYで建設中。そのバイタリティに圧倒されます。生まれたばかりのお子さんもプルーカ先生の原動力になっています。
印象的だったのが、地元の人たちとの交流のお話でした。プルーカ先生の畑がある地域(下帯那といいます)は、高齢化が進み、耕作放棄地が増えています。そのような場所で、アメリカ人のプルーカ先生が、田んぼで稲をつくり、その田んぼで地元の小学生に英語を教えながら稲作体験をしてもらう。耕作放棄地をホップ畑に変え、土地の恵みを生かしていく。地域の方々の力を借りながら、農業と教育で地域コミュニティを元気にしていく。そんな夢が形になっていく兆しを感じました。
プルーカ先生のゼミの学生は、手際よくホップ畑づくりを手伝っていました。英語とグリーンビジネスを同時に学べるゼミ。プルーカ先生の夢と実践が学生にとって学びの機会になっていく。これからが楽しみです。
文・写真:兼清慎一(広報委員)