地域を歩いて、感じて、話を聞いて、書いてみて。
山梨県立大学の学生は、地域に実際に足を運び、体験し、取材し、感じ、表現するという実践プロジェクトに活発に取り組んでいます。たとえば山梨県甲州市のフリーペーパー『甲州らいふ』を制作するプロジェクト。学生と市民の方々が甲州市の見どころや暮らしを取材して冊子に仕上げています。
その過程では、こんな出会いや発見もあります。ある日曜日、甲州市を取材を兼ねて散歩した1年生の記事をご紹介します。「茶房 あらい」という勝沼にある古民家カフェに伺ったときのひとコマです。予定していたお店が閉まっていたため、急遽変更して出向いたら、素敵な出会いがあったというお話です。
また行きたい
先日、「茶房 あらい」さんに行ってきました。
勝沼ぶどう郷駅から徒歩30分。
運動不足の私にはいいウォーキングコースでした。
「茶房 あらい」はご夫婦2人で切り盛りしている古民家風のお店。
店内はオルゴールがながれるゆったりした雰囲気です。
古民家を生かした畳。
「東京では味わえないのだろうな」、ふとそんなことを思いました。
お店のメインは、うどん。
甘いものに目がない甘党の私。
葛藤した末、勝ったのはフルーツ大福とクリームチーズもなかでした。
フルーツ大福。
注文を受けてから旦那さんが一つ一つ手作り。
季節によってフルーツは変わるそうです。
ぶどう、もも、シャインマスカット。
冬はいちごでした。
お餅がちぎれそうなくらい大きないちご。
おまけでパイナップルの大福をいただきました。
味わったことのない食感。美味。
クリームチーズもなか。
蓋が閉まらないほど中にぎっしり入ったクリームチーズとあんこ。
スプーンやフォークを使わず手で食べる。
どこから食べていいものか、とても悩みました。
最初にサクサクッ、次にふわふわ。
結論、どこから食べても変わらず美味しい。
クリームチーズの酸っぱさとあんこの甘みが丁度いい。
ほっぺを落としながら食べていると、
「歩いてきたの?」、聞いてきたのは旦那さま。
「勝沼ぶどう郷駅から歩いてきました」
「よく歩いてきたねぇ、サービスでこれあげる」
そう言ってくれたのは瓶のプリン。
家に帰ってからの楽しみができました。
夢中で食べてあっという間になくなったフルーツ大福とクリームチーズもなか。最後の一口が名残惜しい。
そしてお会計のとき、一緒に行った友達がこんなことを聞いていました。
「お店を始めようとしたキッカケってなんですか。」
「近所の人にうどんが美味しいって褒められちゃって。この人(旦那さん)が調子にのっちゃったのよ」
そう答えた奥さまは、旦那さまを見ながらくしゃっと笑っていました。
目を合わせるだけでお互いのことが分かっているような、そんな感じ。
近所の人から愛されるお店、「茶房 あらい」。
旦那さまと奥さまの人の良さにひかれました。
勝沼ぶどう郷駅から30分歩くだけの価値は十分あるお店です。
機会があれば、ぜひ、足を運んでみてください。
何より私が「また行きたい」
文・写真:菅野真世(山梨県立大学国際政策学部1年)
「素敵なご夫婦の素敵な古民家カフェ」
勝沼ぶどう郷駅から少し離れ、桃畑に囲まれたところに落ち着いた雰囲気のお店があります。甲州市にある「茶房 あらい」さんはご夫婦が営む古民家カフェ。
お店の中に入ってみると、どこか懐かしい雰囲気を感じる畳のお部屋があります。
ご夫婦が趣味で作っていたうどんの評判が良く、まわりに勧められてお店をはじめたそうです。
そんな素敵なお店で私が頼んだのがこちら。
ミニパフェとあべかわ餅です。
ミニパフェはいちごがたくさんのっていて、味だけでなく見ためも楽しめます。フルーツはお店の周りで採れるものを使っていて、季節によって変わるそうです。ぶどう、もも、シャインマスカットなど、魅力的なフルーツばかりで何度も行きたくなります。
あべかわ餅はきな粉と黒蜜を合わせたシンプルなもので、とっても美味しかったです。いただいたお茶との相性も抜群でした。
今回はミニパフェとあべかわ餅をいただきましたが、お店をはじめたきっかけでもあるうどんを食べに、また訪れたいと思いました。
みなさんもぜひ、素敵な古民家カフェでゆったりとした時間を過ごしてみてください。
文・写真:松澤優衣(山梨県立大学国際政策学部1年)
懐かしさを求めて
「茶房あらい」は、勝沼ぶどう郷駅から徒歩30分程度。
昔ながらの雰囲気が漂い、どこか懐かしさを感じるお店です。
最初にメニュー表を見て、シフォンケーキと迷い、最終的にいちごのミニパフェを注文しました。いちご好きにはたまらない、贅沢ないちごに圧倒され、つい注文してしまいました。
パフェの上にはいちごがまるごと1つのっており、甘さが控えめの生クリームと相性が抜群です。ふんだんのいちごと生クリームで見えないのですが、パフェの中には濃厚なバニラのアイスクリームが入っています。その下にあるいちごのソースとサクサクのコーンを一緒に食べると、新しい食感が味わえます。
プリンと緑茶は「茶房あらい」の店主の方がサービスしてくださいました。
このプリンも手作りで、スプーンから落ちそうなくらいなめらかなプリンです。プリンの底にあるほろ苦いキャラメルソースと合わせて食べると、また違った味わいを楽しめます。
寒い時期の温かい緑茶は体を温め、気持ちを穏やかにしてくれます。
そして「茶房あらい」の人気はシフォンケーキ。
私が行った日の13時にはシフォンケーキが売り切れていたので、食べたい方は早めに行くのがおすすめです。
「茶房あらい」では旬のフルーツをふんだんに使ったパフェや大福、あんみつなどのスイーツだけでなく、自家製のこだわりうどんも提供しています。
お店の内観は和式になっており、のんびりとくつろげます。気づいたらあっという間に時間が経ってしまう、そういう落ち着ける場所でした。
写真のQRコードからメニューを見ることができるので、他のメニューが気になる方はぜひチェックしてみてください!
文・写真:山田貴子(山梨県立大学国際政策学部1年)
3人の記事。似ているようで、どこか違う。そんな仕上がりです。こうして取材し、観察し、感じて、表現することで、「自分が気づかなかったところを仲間が気づいている」とか、「同じ情景や同じ体験を言葉にしても、自分と他人はこのように違うのか」といった発見が生まれます。
なによりも『茶房 あらい』のご夫妻が声をかけてくださったこと。学生がご夫妻に店を始めるきっかけを質問したこと。こういうちょっとした言葉のやりとりが、散歩を特別な体験に変えてくれます。こういう小さな体験を積み重ねることで、学生は取材やフィールドワークを楽しいものだと感じるようになります。
高校生のみなさん。山梨県立大学国際政策学部で、小さなフィールドワークをたくさん体験してみてはいかがでしょうか。
最後になりましたが『茶房 あらい』の荒井博さん・孝子さん。ありがとうございました。荒井さんご夫妻は『人生の楽園』というテレビにもご出演されたそうです。
文:兼清慎一(国際政策学部 広報委員)