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先人の教えから未来の保育・教育を創る

太田 研 人間福祉学部人間形成学科 准教授

 私の専門は「心理学」です。保育の心理学や教育心理学などを担当しています。子どもの発達を心理学の分野から理解し、一人ひとりの成長を支える保育・教育者の役割について、学生と共に考えています。心は直接、見ることも触れることもできません。そのため、言葉や表情、態度、行動を実験や調査といった科学的な方法によって観察します。先人たちのたゆみない努力により、子どもの発達や効果的な指導方法が明らかになってきました。

 私の授業では、心理学における研究成果を保育や教育にいかし、新たに生じる課題を解決する思考力を養ってほしいと思っています。保育・教育現場では、目の前の子どもの性格や行動、家庭環境は多様であり、研究で確かめられた方法がどの子にも適しているとは言えません。ですから、保育・教育者には、子どもの状況に応じて、新たな方法を創り出す専門性が求められます。この専門性は、一朝一夕では身につきません。

 人間形成学科には、専門性を高めるための科目が多くあります。入学後から地域の幼稚園や保育所、小学校に訪問し、現場で体験したことを大学で振り返ります。担当する教員は、さまざまな学問分野を専門にしています。多様な分野の先人がそろっているので、現場で体験した内容を多角的に意味づけ、価値づけることができます。体験したことを学びとしての経験に変えるために、私たち教員や先人の研究成果と共に振り返ってみましょう。