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看護学部の新任教員からのメッセージ〜バラエティ豊かな先生方をご紹介します

こんにちは。広報担当の兼清慎一です。今回ご紹介するのは看護学部の新任の教員です。高校生向けにメッセージを書いてくださいました。これを読んでいただくだけでも、先生方の専門や関心、キャリアがバラエティに富んでいることがわかると思います。この大学の卒業生、つまり母校で教員になられた先生もいるんですよ。ご一読いただけますとうれしいです。

和音|山北満哉

山北 満哉 講師
看護関連科学領域

6年ぶり2回目。2014年以来、6年ぶりに戻ってまいりました。

「おかえりなさい。」
お世話になっていた先生方の温かい言葉に包まれました。

おそらく私は運がいいです。家族に恵まれ、同期に恵まれ、恩師に恵まれ、同僚に恵まれ。携わる人に恵まれてきました。この運の良さを社会へ、次の世代へ還元しなければなりません。

学校という場でしか過ごしていない狭く小さな人間ではありますが、幸いにも教育、体育、医学、看護と複数の文化の違う場所で過ごさせてもらいました。「教育」、「研究」、「学校」という部分は共通していても、それぞれが違っていて、それぞれが独特です。社会には多様な人がいて、多様な考えがあり、すべてにグラデーションがあります。

私には「日本人の運動習慣者を過半数にする。」という目標があり、そのために「世の中を遊び場にする」というビジョンがあります。しかしながら、ただの口だけで、今のところその1%も実現できておりません。理由は簡単で、それを実現するための行動(いわゆる努力)が圧倒的に足りないことと世の中を知らないことです。運の良さだけでは、どうにもなりません。運動に関心のある人、ない人、どちらでもない人。対象とする人は多種多様です。

私にできることは限られており、「目の前にあることにひた向きに取り組み、小さな成果を積み重ね、声を大きくする。まずは、学生への教育を大切にし、研究成果を積み重ねること。そして、多種多様な人を理解できるよう多くの人と関わり、様々な異分野の人の声を聴く。」

今は極めて未熟なため、私の声は小さく、たとえ聞こえたとしても不協和音になることの方が多いです。自己研鑽により声を大きくし、人との関わりにより広い範囲に声を届けられるよう、そして、多くの多様な人たちと綺麗なハーモニーを奏でられるようになりたいと思います。

インストラクショナルデザインを看護基礎教育に|芳賀了

芳賀 了 助教
看護教育学領域

病院勤務時代のある日、中堅看護師Aさんが新人看護師Bさんに指導をしていました。BさんはAさんの質問に即答できません。それを見てAさんは即座に説明します。それを繰り返すこと1時間。Aさんの意気揚々とした表情とは対照的に、Bさんの表情に覇気はありません。

これは学習者中心という教育概念からは遠く離れたケースです。このようなケースをたくさん見てきました。辞めていく看護師もたくさん見てきました。もちろん辞めていく看護師ばかりではありませんし、一緒に働いていた多くの看護師が今も元気に働いています。しかし、驚くのはBさんのような看護師が、いざ指導者として抜擢されると、自分が受けた指導と同じように新人看護師に接しているのを見る時です。「絶対あんな風には指導しない!」って言っていたのに・・・、負のスパイラルを感じずにはいられませんでした。

それから、私は蘇生教育を学ぶ過程でインストラクショナルデザイン(ID)に出会いました。IDを簡単に言うと、「科学的な教え方、学び方」に関する学問です。これを活かし、シミュレーション教育や指導者研修に従事してきました。それなりの手ごたえを感じつつも、これを看護基礎教育に活かしたいと思い、まさかの40代半ばで教員デビューとなりました。

この4月に看護管理学・看護教育学領域に着任早々、新型コロナウイルス感染症の影響で、まさかの遠隔授業となり、IDが役に立つこととなりました。否応なく遠隔授業を経験した学生や教員は、対面授業のあたたかさや重要性を感じる一方で、この革新的な方法と効果を感じていると思います。今後の看護基礎教育における授業設計は、これを機に対面授業と遠隔授業の良いとこ取りを考える時期に来ていると感じます。看護教育学を標榜する者としては、身が引き締まる思いです。まだまだ未熟者ですが、未来の看護教育をよりよくするために精進していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

看護は考えて実践する学問|早出春美

早出 春美 講師
基礎看護学領域

はじめまして。4月から基礎看護学領域の教員として着任いたしました早出春美と申します。出身はお隣の長野県ですが、北海道にある北海道医療大学・看護福祉学部看護学科で学生時代を過ごし看護学を学びました。その後、東京都内の大学病院などでの臨床経験を経て、長野県看護大学大学院で修士課程を修了し、大学の教員になりました。

本学着任前は、縁あって母校である北海道医療大学で教員として働いておりました。学生時代に看護は考えて実践する学問だということに興味を持ち、対象者にとってよりよい看護を追究していくことにおもしろさを感じたのを覚えています。教員となり学生に看護の基盤となる思考を教える難しさを感じていた時に母校で教員として働くことで自身の看護の原点に返ったような気がします。

臨床では、救命救急センターや手術室、透析室などで経験を積みました。これらの経験を通して、対象者の小さな変化を見逃さないためにも予測と判断が重要であることを痛感しました。また、どのような状況にも対応できる(応用できる)技術力も重要だと感じました。

臨床での実践につなぐためにも基礎教育で大切なことは何かを考えながら、これまで学んだことや経験を活かして、学生の皆さんとともに考える姿勢を大切に教育に携わっていきたいと考えています。

北海道は山梨県や長野県とは違い、広大な大地が果てしなく続いており、そのスケールの大きさに圧倒される日々でしたが、今は山梨県から見る富士山の大きさや山々の美しさに圧倒されています。

どうぞよろしくお願いいたします。

基礎看護学をさらに深く|武井泰

武井 泰 准教授
基礎看護学領域

私は4月より基礎看護学領域の教員として着任いたしました武井泰と申します。

出身は山梨県でありますが、学生生活、臨床経験を含め人生のほぼ半分を県外にて過ごしており、久しぶりに山梨県に滞在するようになって3年、甲州弁が心地良いこの頃です。

私は救命救急センターや外科病棟、手術室にて10有余年看護の仕事に携わってから大学院に進学いたしました。その理由としては、看護を実践していく過程で専門的知識、看護研究への取り組み方や視点、教育、接触感染など再度探求したいという気持ちが強くなったからです。修了後はご縁があり、岐阜県にて教育に携わらせていただくことになります。教員となる動機としては、大学院で研究や教育を学んでいるうちに、いままでとは違う立場や役割から看護学を探求したいという思いに至ったからです。

私は臨床経験を通して、学生への看護実践に必要な教育や指導に関して知識や技術、その根拠の必要性を感じております。そのため、基礎看護学における教育では看護技術の習得にあたり技術の方法や一連の流れの中にどのような根拠があるのか、なぜその手技が必要なのかを学生が考えられ、常に看護の対象を意識した手技を習得することができるよう、看護師の基礎となる人間性の教育を含めた教育をさせていただきたいと考えております。また、私自身も基礎看護学をさらに深く、多くのことを学びたいと思います。

研究としては、教育や感染制御など看護職者の日々の看護実践の視点から基本的課題を見いだし、その問題解明に向けた新たな知見を研究により証明し、看護の対象者および看護者個々の健康維持・促進、感染制御の一助となれるように頑張りたいと考えています。そのため、今後も向学心、向上心を持ちながら教育者および看護者、人間として成長できるように努力していきたいと思っています。

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

この(前身の)大学の卒業生です|勝俣晴加

勝俣 晴加 助手
小児看護学領域

 4月より小児看護学領域の助手として着任いたしました勝俣晴加です。

 私は、当学の前身であります山梨県立看護大学の卒業生です。学生の皆さんが生まれたころに、当学で学んでおりました。着任が決まり、自分の学生時代のキャンパスが賑やかだったことや楽しい思い出を懐かしんでいました。そして、久々の母校で先生方にお会いし桜を見て、入学式に感激したのを思い出しました。富士吉田市出身なので桜の開花は4月中旬から下旬です。だから、入学式の満開の桜の下でドラマのようだと思って感激したのです。また、研究室の前の枝垂れ桜を見て、懐かしいとともに桜が大きくなっており、月日がたったのだと実感しました。

 卒業後は、富士吉田市立病院にて勤務しておりました。小児科病棟、外科病棟、脳外科・整形外科病棟での勤務経験を経て、小児看護をもう一度学びたいと思っていたところ、ご縁があってこちらに勤務させていただくこととなりました。臨床では、産婦人科・小児科の混合病棟に長く勤務していました。出生直後の新生児には「泣いて!」と願い刺激をし、機嫌が悪く泣いている幼児は「何で落ち着くかな」と考え一緒に遊び、「○○レンジャー」が次々に代わってついていけずに「やっぱりアンパンマンが安定」と思い、無口な中学生の隣で「面白い」と教えてもらった漫画を読破したこともありました。退院時の「ばいばい」で大変だったことも忘れてしまう、子ども達の笑顔が何よりの癒しでした。

 教育や研究については、これから一つ一つ学んでいけたらと思います。まだまだ、自分が何をしたいのか何ができるのかを模索中ですが、新しいことにチャレンジできる機会に感謝しながら、学生とともに成長していけたらと思います。残念ながら、学生にはまだ実際に会えていないですが、一日でも早く賑やかキャンパスに戻ることを願います。そして、臨床での経験から少しでも小児看護の魅力を伝えていければと思います。

 どうぞよろしくお願いいたします。

まさか教員となって母校へ戻ってくるとは|武田真弓

武田 真弓 助教
成人看護学領域

 4月から看護学部成人看護学領域の教員として着任いたしました、武田真弓と申します。

 私は看護師として働く傍ら、本学の大学院看護学研究科専門看護師コースへ進学し、大学院修了後、慢性疾患看護専門看護師の資格を取得しました。資格取得後は、臨床で地域連携室における退院支援・退院調整の役割や心臓リハビリテーション外来などに携わりながら、慢性疾患を持つ人やそのご家族へのケアを実践してきました。

 大学院を修了したときには、まさか自分自身が教員となって母校へ戻ってくるとは、想像すらしていませんでした。4月の着任以来、毎日、新しいことやはじめてのことの連続で、周りの先生方に教えていただきながら1日1日を送っています。今年は、新型コロナウイルスの影響で、まだ多くの学生のみなさんに直接会うことができていませんが、オンラインでの講義などを通じ、学生の一言から「ハッ」と気づかされることもあり、学生のみなさんの柔軟さや発想の豊かさに驚かされることもしばしばです。そして、教育も、臨床と同じように人と人との関係のなかで営まれ、お互いに影響し合い、学び成長していくことなのだなと改めて感じています。私も、教育の場に身を置けることに感謝し、毎日を丁寧に、また楽しみながら日々成長していきたいです。

 まだまだ慣れないことが多く、教育や研究の経験は浅いため、未熟なところばかりですが、1日でも早くみなさんの力となれるよう努力してまいりたいと思います。そして、学生のみなさんには、臨床看護の面白さや慢性疾患看護の魅力を少しでも伝えられたらと思っています。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。