探られる、煮える、括る、切る_20240529

・ちまちまと書き留めていたものを寄せ集めてつなげる。


・数日前に見た夢の終わりのほう。

見合いか葬式か、一段落したので外に出る。田んぼを抜けて公園に向かって歩いた。風が心地よく、きらきらしている。私の長い黒髪とワンピースが揺れる。
公園の真ん中にある池か湖か、そのまた真ん中にある桟橋、そこに真っ黒な鳥たちがずらっと腰掛けている。大きさはアヒルぐらいか、もっと大きいかもしれない。丸みのある体から伸びる脚は思いのほか長く、エゾユキウサギの写真を初めて見たときと同じ気持ちになる。レッグウォーマーのようにふさふさと羽毛で覆われていて、冬毛のライチョウみたいだ。くちばしと足先はオレンジ。陸地のほうを見やると、私の仕事仲間がその鳥たち相手になにやらにこやかに話しかけていた。見るからに商人と客。会話はこちらまで聞こえない。鳥の表情は読めない。


「あなたのため」と、興味を満たすためだけに腹の奥に手を突っ込まれた。人として嫌いにならない距離まで下がって扉に隙間がないか確認する。私はこの人の仕事が好きで、その部分で信頼している。それだけでいい。


・今わたしすごく嫌なやつになってるな、いやいや、もともと嫌なやつだし、とよぎってすぐになんかすごくあれだな……宇都宮敦の、あの、であるなら誰か抱きしめてくれよ、とか思ったりしているうちにすんとするってのを繰り返していた。わたしはただの嫌なやつである。誰にとって?


・感情で仕事をするとろくなことがない。平常時にかわせていたことがどうにも引っかかってやり過ごせなくなるのなら、だいたいは疲れのせいだ。休養をとったほうがいい。
仕事において「仕事がよい方向に進むこと」より「自分の気持ちが報われること」ばかりが頭を占めてついには口から漏れ出て止められなくなったらいよいよ終わりだ。
そうなる前に仕留めるしかない。



・いつかのメモより。この静かに冷えて切り離されていくときの感覚を忘れないでいたい。

大きなバットにたっぷり冷やし固めた寒天にナイフを入れてスッスッと切り分けていくような気持ちよさ。かたまりのように見えてバラバラ、だけど逆のこともいえる。それとこれには明確な線が引かれた。




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