イカナゴ類の分類・世界のイカナゴ類（公益社団法人日本水産資源保護協会「わが国の水産業　いかなご」より）

公益社団法人日本水産資源保護協会の「わが国の水産業　いかなご」という出版物がありました。
少し古い資料ですが、イカナゴについてまとまった、最も詳しい資料のひとつといえそうです。
執筆は、兵庫県水産技術センターの反田實さんです。

私も初めて聞く話がたくさんありますので、本日より紹介していきます。
以下、この資料からの引用またはキャプチャーです。

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冒頭のイカナゴの紹介文です。

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イカナゴは「硬骨魚類綱スズキ目イカナゴ科」に分類される魚です。熱帯地方から北半球の高緯度地方まで世界に広く分布していますが、産業的に重要な種は主に北東アジア、アラスカ、ヨーロッパに分布しています。イカナゴは産業的に重要なばかりでなく他の魚類や海鳥、海産は乳類の餌として生態的にも重要です。
日本にはイカナゴ、キタイカナゴ、タイワンイカナゴ、ミナミイカナゴの4種が生息しています。
このうち重要なのはイカナゴです。キタイカナゴも北海道北部の漁場でイカナゴに混じって漁獲されていますが、産業上は区別されずに扱われています。
日本のイカナゴ漁獲量は1970年代の中頃には30万トン近い年もありましたが、その後は減少し、1998年以後は10万トンを下回っています。2003年（平成15年）の漁獲量は60,076トンでした。
日本の主要な漁場は北海道北部、宮城～茨城県沿岸、伊勢湾および瀬戸内海東部です。
全国的には船びき綱が主な漁法ですが、北海道北部では沖合底びき網、仙台湾では火光利用敷網やすくい網が主な漁法となっています。
日本各地の主要な漁場では、時期は異なりますが、一時期、乱獲等の原因によって資源枯渇の危機に見舞われました。このため、現在は各漁場とも様々な資源管理の取り組みが行われています。
イカナゴの英名はsand eelやsand lanceと言いますが、名のとおり砂と深い関わりのある生活をします。イカナゴは外敵が近づくと素早く砂に潜って身を隠す習性があります。また、水温が高くなると砂に潜って夏眠します。瀬戸内海や伊勢湾のイカナゴの夏眠期間は約5ケ月間にも及びます。夏眠場所はきれいな砂地のある限られた場所に形成されます。
また、夏眠場所付近が産卵場ともなります。このため、イカナゴ資源の保護にとって夏眠場所の保全は重要な課題と言えます。

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続いて、この冊子の構成です。

イカナゴ類の分類
世界のイカナゴ類
日本のイカナゴ
世界と日本の漁獲量
漁法
イカナゴの生態
イカナゴの夏眠
資源管理
加工と流通
食と栄養

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【イカナゴ類の分類】
イカナゴは硬骨魚類綱スズキ目イカナゴ亜目イカナゴ科に分類されます。現在、世界で確認されているイカナゴ科の魚は7属23種です。イカナゴ類は赤道直下から高緯度地方まで世界に広く分布しています。熱帯地方に生息する種はスズキ目の基本型に近く、北方に行くほど特化傾向が強いとされています。
体は細長く、鰭は軟条のみからなります。また、歯や腹鰭は退化的です。体長、7－8cmの小型種から、40cmに達する大型種までいます。
主に沿岸から沖合域の砂もしくは砂礫質の海底がある場所に分布し、群れを作って生活します。主食は動物プランクトンです。外敵が近づいた時などは海底の砂に潜って身を隠す性質があります。
産業上重要な種は、ヨーロッパや北東アジア等北半球に多く分布しており、食用とされるほか、フィッシュミールや魚油の原料、養殖魚の餌として利用されます。また天然海域では魚食性魚や海鳥、海産ほ乳類の餌として生態的にも重要な位置にあります。

【世界のイカナゴ類】
イカナゴ類は日本だけでなく世界中で漁獲、利用されています。産業有用種はAmmodytes personatus（イカナゴ）、A.tobianus、A.hexaputerus（キタイカナゴ）、A.marinus、Hyperoplus lanceolatus、Gymnammodytes Cicerelus、G.semisquamatus などです。

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以前、中国の海沿いの街で「いかなご」を見かけたことがあります。
この資料によると、Ammodytes personatus（イカナゴ）だったようです。
世界のイカナゴも食べてみたいですね。
くぎ煮にしたら、どんな味になるんでしょうか。
世界のイカナゴ資源がどうなっているのかも調べてみたいです。