私有地
泣きながら帰宅した。
飲み会帰りのことである。酔っぱらって近所にある空き地を横切ろうとしたら、私有地だったようで、その土地の女性にめちゃくちゃに怒られてしまった。
ちょっとくらい入っただけで、そんなに怒らなくてもいいのに、空いている土地なのに私有地とはどういうことだ、東京はこわい、と号泣した。
朝起きて、完全に私が悪いと思った。なにを被害者ぶって泣いていたのだろう。
夜遅くに私有地に酔っ払いが入ってきたら、さぞかし怖かったであろう。申し訳ないことをした。土地の所有とは大変にけっこうなことである。私は私が恥ずかしい。
たぶん顔を覚えられてしまったし、近所なので、外を歩きたくない。闇に紛れて活動している。
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