事業用資金の余裕のなさ

フリーライター山本ぽてとが稼いだお金は、ぽてとから本人へ定額の給料振込みスタイルになっている。本人が言うには、なかなか働きやすいし、仕事も楽しいとのことだ。

ただ、今月は本人に給料を待ってもらった。事業用の銀行口座の残高に余裕がなくなってきたからである。来月にいたっては、下手したら本人お金を借りることになるかもしれない。本人は「まぁ、そんなこともあるよ」と理解を示してくれている。理解のある私である。

本人は多少の貯金があるのですぐに生活が困ることがないのだが、事業用口座の枯渇危機は何度か起こっている。私が見直すべき点、例えばもう少し事業用の資金を現金で持っておくだとか、細かい対策はいくつかあるが、そもそも私の働き方に根本的な理由があるように思う。

私は構成ライターをしていて、インタビューや対談の構成などの原稿料で生計を立てている。今の出版社から依頼して原稿を書く形式では、原稿を書き上げて入稿しても、時には私ではコントロールできないさまざまな事情で掲載が伸びたり、編集者から音沙汰がなくなったりする。

そうするとなんと原稿料が払われない。また掲載されたとしても、だいたいは掲載されてから2、3か月後の入金なので、書き上げてからお金を得るまでの期間が長い。

仕事にはさまざまな事情があるので、誰かの怠慢によってこの事態になっているとは私は思っていない。だからこれは編集者を責めているわけではない。ひとつならいいのだが、タイミング悪く複数個それが重なってしまう&経費大きいものが続くと、一瞬で事業用資金に困るようになる。

長いプロジェクトの時、このような事情に理解のある編集者が善意で分割して払ってくれることもあるが、あくまで「善意」なので運要素が強いし、「規定でできない」と言われたらこちらからはそれ以上言えない。

雑誌であれば、刊行日が決まっているので見通しが立つが、困るのは書籍とネット記事の場合で、先方の都合で伸び伸びになりやすい。見通しが立たない中で、お金だけが減っていくのは、なかなかストレスだ。

これは仕組みの話であり、編集者個々人にムカついている話ではないと再度書いておきたい。

この仕事自体は楽しいから続けたいのだけど、この仕組みはもうちょっと工夫できるのではないか。せめて、掲載時期が決まっていない、あるいは伸びやすい仕事に関しては、入稿してOKが出たら、その月に原稿料を(半分でも)振り込んでもらえるだけで、だいぶ見通しが立つようになると思う。

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