あってはいけない

銃声はネットを通じて鳴り響いた
それは昼下がりの街の喧騒に紛れたが
夕方テレビから流れた現場のそれは
想像を遥か超えて大きいものだった

わが国にも戦争が靴音を響かせてやってきたと
何年も叩かれながら一億の上に立ち続けた男
最後にはその身をもって国民を守ったが
平和ボケした市民は誰一人
彼を救うことができなかった

歴史の転換点が今日だとしたら
そのニュースをiPhoneで目にした途端
僕の視界は何だか白けたようになって
人々の表情は何故だか見えづらく
あるはずの喧騒も全く聴こえない

別段支持はしてない政党であっても
事件は心に穴を開けるに余りあり
だがしかし自分がその事件の犯人に
なること可能性だってあり得るんだと
そういう道を我が国は歩んできたんだと
何処かで理解できる悲しさもある

人は必ず死ぬし
人が分かりあうことや共に協力することは
感覚の何千倍も難しいことで
自分の日常は誰かの非日常であり
宇宙人のように一生遭遇しない現実があるのも
現実だろう

だがしかしそれにしても
因果にしろ偶然にしろ
銃殺されるなんて只々気の毒すぎるなと
ご冥福をお祈りします

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