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2018年に山本渉がSCRAPで関わった謎解きを振り返る(後半)

こんにちは。山本渉です。

2018年7月〜12月に製作した、関わった謎解きを振り返っていきたいと思います。

やっぱり早速行くぞ!!!

「東京ミステリーサーカスからの脱出」(7月)

https://abema.tv/search?q=リアル脱出ゲーム
(Abemaプレミアムに会員登録すれば、現在でも視聴できるようです)

「新しい別の窓」というAbemaTVの生放送番組内で限定開催した公演である。
メインの出演者は稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人だ。
すごくない!?!?!?!?!?!!?

しかも、60分間CM無しの生放送。謎を解く様子を全くのノーカットでお送りするというすごい企画だった。

謎はガチで解いてもらったので、どういう結果になるのか誰にもわからない状況で進む生放送は、めちゃくちゃヒリヒリして面白かった。

謎としても、たった1回しかできない代わりにスタッフも使い放題、謎解きのアイテムも贅沢にいろんなことができたので、ホール型とアジト型をいったりきたりするような変則的なゲームにしてみた。
ギミックとしても、水を使う、ぶっ壊す、剥がす、といった普段の公演ではなかなか難しいようなところが使えて楽しかった。


ボツネタ…………
「カラオケで80点以上出したら次のSTEPに進めるってどうですか!?」という案があったのだが、そういったバラエティ色はあまり求められず、我々はストイックに謎を作った。
(しかし、それで結果的にやはり大正解だった。あの大スター3人は机に向かってうんうん唸っているだけで、十分に絵になるのであった)


「絶望トイレからの脱出」(7月)

サバンナの高橋さんと共同製作したゲーム。
ラジオやらイベントやらで話したが、本当にまごう事なき『共同製作』であった。小問の1つですら一緒に考えた。
会議ごとに宿題が課せられるのだが、毎回、もっとも真面目にアイディアを持って来てくれるのは高橋さんであった。

初めて『2人限定』のリアル脱出ゲームに取り組んでみたが、きちんとその意味は出せたかなと思う。

ボツネタ…………
最初期のテストプレイでは便器に入った自分のうんこを見ると、そこに謎が書いてあるというエキセントリックな導入だった。
いいじゃないか、うんこに謎が書いてあったって。

まだまだ東京ミステリーサーカスで遊べます!
https://mysterycircus.jp/zetsubou_toilet/


「大魔王ゾーマからの脱出」(8月)

メインディレクターは吉田さん。
僕は第4章、商人が活躍する章の担当であった。

呪文は使えない、戦闘はできないという状況で商人として活躍させるのは非常〜〜〜〜に難しかった。
最終的にはトルネコのオマージュで『へんげのつえ』を使うということに落ち着いていった。
公演としてはとんでもない広さの会場で、ドラゴンクエストの世界が再現されていた。ラスボスであるゾーマとのバトルもすごかった。
CV 大塚明夫さんの巨大ゾーマに挑む体験は、もう2度とできないだろう。

僕も現場に出ていたのだが10時間コンクリートの床を歩きっぱなしで、肉体的にもっとも辛い公演であった。

ボツネタ…………
商人のゾーンで、鑑定名人の中島誠之助的なキャストを用意して、『お宝鑑定ショー』をやるという案があった。
もちろんお宝の価格は、下一桁から「イチ! ジュウ! ヒャク! セン!」と一桁ずつ発表されていくのだ。
ドラクエ関係ないしテレビパロディのコントだったためボツに……。


「サバンナ高橋の謎解きコントライブ 愛すべき5人のバカたち」(8月)

サバンナの高橋さんが主催した、謎解きとコントを組み合わせたお笑いライブ。僕は謎製作協力という立場で参加した。
画像の通り、高橋さん以外の出演者は、謎を解かないとわからないという尖ったチラシだ(もちろん高橋さんのアイディア)

前半にはコントのパート、後半には謎解きのパートという構成で、
謎解きパートは出演者にも謎の答えは知らされず、ガチで進行をしていくというライブであった。高橋さんは物語上も司会のような立場で、全体をコントロールしていく。

しかしこのライブ、前半のコントだけではなく、後半の謎を解く様子でさえも本当にお笑いのプロの仕事でめちゃくちゃに面白かった。
いわゆる大謎的なものも用意されており、これが解けるか解けないかは一発限りなので開演してからも非常にハラハラしていた。(僕は袖で見守るだけだったが)

ボツネタ…………
もしヒントが必要だったら、客席に聞いてもいいというシステムにしようとしていた。しかし、出演者の謎解きレベルは予想以上で全然そんな必要はなかった。芸人さんは新しいものを飲み込む能力がめちゃくちゃに高いな〜〜と思った。


「夜の巨大監獄からの脱出」(9月)

全国夜の遊園地シリーズの最新作として僕が担当した公演だ。
正直、この「夜の巨大監獄からの脱出」というタイトルが思いついた時、けっこうピーンと来た。なかなかいいタイトルですよね!?

そして、コンセプトもこっそり脱獄するんではなく、夜の遊園地の高揚感を活かして盛大に脱獄できる公演にしようというのも早めに固まった。

物語や雰囲気に色濃く影響を受けているのはSEGAの伝説的なリズムゲーム「スペースチャンネル5」だ。僕はあのゲームの、みんなで踊りながら巨悪に立ち向かっていくというバカな高揚感がたまらなく好きだ。

この公演のBGMは『ほぼスペースチャンネル5っぽい感じで』という発注のもと、SCRAPのほぼ全ての曲を手がける作曲家である伊藤忠之さんにお願いした。
ダンスの振り付けは「大魔王ゾーマからの脱出」でつるぎのまいの振り付けをお願いした実験道場のJunkoさんだ。
ちゃんとプロが作った音楽と振り付けを、素人が舞台で披露するということでバカな高揚感が非常に演出できたと思う。(僕も何度か舞台で踊った)


ボツネタ…………
まさしく、残っていた議事録にこんなコーナーがあったのでそのまま引用する。

こんな大謎はいやだ


・看守の靴をなめたら成功


・キットを1枚でも持っていたら失敗


・チェッカーにあたりとハズレがいる
・当日の星空を見ないと解けない

『看守の靴をなめる』というアイディアは監獄や刑務所からの脱出を作るたびに繰り返し出てくる。

しかし今回は冗談ではなく『キットにある看守のイラストの靴の部分を舐めると特殊印刷で浮かび上がってくる』などと考えていたのだが、衛生上の問題でボツに。
(でも、みんなもいつかはキットを舐め回したりしてみたいよね!?)


広島では3月に
https://realdgame.jp/kyodaikangoku/hiroshima.html
福岡でも3月に
https://realdgame.jp/kyodaikangoku/fukuoka.html
東京では4月と5月に開催です!
https://realdgame.jp/kyodaikangoku/tokyo.htm


「悪魔的大忘年会(新年会)からの脱出」(10月)

メインディレクターはまゆずみD。
僕は会議に参加したり謎を作ったりしていた。
「時期的にもあってるし、忘年会のゲームにしようよ」と誰かが言い出したあたりから、歯車が狂い始めた。
チェックポイントで実際に宴会芸を披露するこの公演は、弊社で言う所の『茶番』を、物語上も茶番として扱った唯一の公演だろう。


ボツネタ…………
キャストを使って『リアル兵頭会長』を出そうと言っていたのだが、毎公演出てもらうのは予算的に厳しくボツに。


「終わらない10周年パーティーからの脱出」(12月)

SCRAPの10周年記念の関係者向けパーティーの余興として開催されたリアル脱出ゲーム。ディレクターは僕とソメさんだった。

「終わらない宴からの脱出」のセルフオマージュなわけだが、今回もまた1位を決めるための公演であった。
ということは必然的に難易度もかなり上げたので、本当に解ける人が出るのかハラハラしていた。

終わらない宴からの脱出のときも、謎を解くのに必要な全ての情報が出てから、正解者が出ない時間が10分ほどあった。
僕が「いや〜リアル終わらない宴って感じですね」と
加藤さんに言ったら「山本くん、この状況では全然笑えへんわ」と返されたのを覚えている。


ボツネタ…………
「さすがに何のヒントもなければテーブルクロスはめくらないだろう。だってパーティーだし、参加者も関係者の大人たちだし」と思っていたので、クロスの下に情報を仕込もうと思っていたが、結構な人たちがゲーム開始とともにクロスをペラペラめくっていたので、本当にやらなくてよかったなと冷や汗をかいた。
『謎解き』が始まったら最後、やはりスタッフに怒られるまでは何をやってもいい世界に変貌してしまうのだ。恐ろしい文化を作ってしまったな、と思った……。



というわけで以上が2018年に関わった主な謎解きでした。
2019年ももっともっと面白いイベントを作っていきたいと思っています。

また、noteでは非生産的で面白くなくても、日々に起きたことなどを書いていこうと思っています。

どうぞよろしく。

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