主語と述語



お恥ずかしながら私は歯軋りをしてしまう癖がある

夜中に自分が歯軋りする音で起きてしまうくらい日常的にしており、今でも悩まされている

以前就寝時に装着するマウスピースを作ったが紛失してしまったため新しいものが必要だった

初めてお世話になる歯医者の予約をするべく電話をした

受付のお姉さんはこう言うのである
「お口の中どうなさいました?」

きっと、「どうなさいました」だと他人事っぽく冷たい印象だとか色々考えた結果、ありがた迷惑極まりないが『お口の中』という枕詞が付いたのだろう

私の要件はただ1つ
マウスピースを作りたい

しかし、口の中がどうしたのかを聞かれてしまっている

マウスピースを作りたいのは私だ
しかしこの文の主語は「お口の中」だ

この質問にマウスピース作りたいと返答した場合、厳密に言うと日本語としてはおかしい
お口の中がマウスピースを作りたいという意味になってしまう

咄嗟に小学生の国語的知識が脳内に巡り
「虫歯があるかもしれません」

そう答えた
仕方ない
口の中について聞かれてしまったのだ

私は頭が硬く、読者が想像しているより真面目で、言葉を大事にして生きている


初診では当然のように
「虫歯はどのへんですかー?」

とか聞かれる

知らねえよwww

とか思いながら

「痛いところとかは特にないんですけど細かいのがあるみたいです。全体的に診てください」

とかそれっぽいことを言う

マウスピースの要望はまだまだ伝えられていない



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