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精進料理に目覚める3歩前 #イキな迷子

とことん己を甘やかして小麦粉でできた
パンという
贅沢品を腹に入れて数日経った頃

腸さんはワタクシにピーピーと告げた。


“超絶不調なんですけどー”

腸に従って生きる事をモットーとしているワタクシは
丁度いい機会であるので
小麦粉という誘惑から離れて自然な食材に出会う為


“壱岐に行きました”

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ちょうど鮮やかな緑が芽吹いた時季であったので
辺り一面美味しそうな野草だらけである。


因みに

壱岐に行き
久しぶりに原付に跨がったワタクシは

早々に
最初の目的地で見事にシートの中に鍵を入れたままの鞄を入れて

カチャン

とロックを掛けるというミラクルをやってのけたのである。

携帯もアイパッド氏もシートの中に閉じ籠ってしまったのである。

ああ。
シンドイとSOSを出し続けていたアイパッド氏を
鞭打って動かしていたワタクシに

遂にアイパッド氏は耐えかねて
岩戸隠れならぬ
原付のシート、いやシー戸隠れをしてしまったのである。

こうなったら歩いて一度ふりだしに戻るほかない。

因みに唯一ワタクシの横に居る存在は
鞄と共にシート隠れをしたアイパッド氏に代わって
シートから出てきた

ヘルメット氏のみである。

アイパッド氏は携帯氏お財布氏もそして地図氏でさえも従えて
シート隠れをしているのである。

ヘルメット氏
共に歩もうではないか。

幸い我々の頭上に太陽があって
未知の道であっても方角はなんとなく知ることが出来る。


このアイパッド氏がシート隠れをした
この場所は

女嶽神社

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御祭神は天鈿女さんである。

きっとアイパッド氏も瞑想を終えてスッキリした頃には
シートから出てきたくなるはずである。

その頃ワタクシがスペアキーと共に踊ろうではないか。

その前にスペアキーの持ち主である宿のオーナーさんに
手力男として
固く閉ざされたシートをこじ開けて頂くようお願いしなければならない。

入り口にある看板を見るとここからお宿の近くの港までは


3.2km

歩けない距離ではない。
右も左もわからない未知の道を進んでいこう。


ええ。
毎度毎度のことであるが
話の寄り道どこか
今回は現実世界における壱岐でのいきなりの迷子の話である。

もう少しだけ迷子を続けよう。

迷子であるとはいえ壱岐は島である。
どれだけ彷徨う事があろうとも島から出ることはないので
安心して迷子で居られるのである。

生き生きと壱岐で迷子をしているワタクシは
道の傍の野草を見つけては道草を繰り返している。

迷子である上に道草を繰り返したワタクシが
オーナーさんに手力男になって頂いて


シートいやシー戸をこじ開けて
アイパッド氏に再会できたのは


3時間後である。


さて。
話の寄り道から戻ってみよう。

腸が超絶不調なんですけどー。
と騒いでいる頃

ちょうどそこへおばぁから電話がかかってきた。

おばぁ;“あんた、元気ねー?”

ワタクシ;“ちょうど腸が超絶不調なんですけどーって言ってる”

おばぁ;“あー、おばぁの母親はお腹がピーピーしてる時には
塩水飲みなさいって言ってたさー。
昔は塩水飲んで悪いもの全部出したみたいよー”

ほほう。
塩はいつでも持ち歩いているのでやってみよう。


分量なんぞちんぷんかんぷんであるので
とりあえずちょっと塩辛いくらいにして
ガブッと飲んでみる。


。。。。。


。。。。。。。


。。。。。。。シーン


先程まで

超絶不調なんですけどー。

と騒ぎ立てていた腸さんがぴたっと騒ぐのをやめている。


おばぁの知恵恐るべしである。



さて
再び原付に跨がって
生き生きと壱岐を駆け抜けているワタクシは意気揚々と
野草を手に入れる為に海辺へ到着した。

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と。

ここまででなんだかボリューム満点である。
出逢った野草が腸を超元気にしてくれた

お話はまた次回としよう。

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