見出し画像

蘇州での事件に思う

蘇州で、残念な事件が起こりました。現場は私も行ったことがある地域で、日本人街、と呼ばれているエリアです。被害者の皆さんの回復を祈ります。

上海で約24年過ごしていますが、いろいろな事件に遭遇、見聞きしてきました。直接の被害に遭ったこともありますし、友人知人やその家族・社員・同僚が被害に遭った事例もあります。中には、残念ながら命を落とされたケースもあり、残念に思うことも少なくありません。

当たり前の話ですが、どこへ行ってもいい人と悪い人がいて、不幸な事件事故に巻き込まれる危険性があります。悪い人は少数ですし、事故も悪意によって起こされることは稀です。しかし、どうしてもその危険性は存在します。

中国では、景気の低迷が原因で、社会不安がまん延しており、一部のおかしな人が極端な行動に走るケースが見られます。社会への報復犯罪、と言われる無差別テロのような犯罪も聞かれます。また、対日感情のバラツキも顕著で、日本に対して負の固定観念しかない人や処理水問題の偏向報道を信じているような人もいるにはいます。チャイナリスクは存在します。

また、別の角度から考えると、中国という自称発展途上国、非友好国?、日本以外の外国、に来ている我々は、海外というアウェイに住んでいるのだということを常に忘れず、用心に用心を重ねて生活していくべきでもあると思います。中国の主要大都市はそれなりに発展していて、生活も便利です。多くの親日的な中国人に出会えれば、ここが中国であることを忘れて安心して生活できると思います。しかし、ここはアウェイです。身近に日本以上の危険が潜んでいる可能性が高いのです。今回の被害者さんたちが不注意だったとは思いません。しかし、注意しすぎることはなく、用心しすぎることもないのです。今回の件を警鐘として、用心しながら生活することが求められていくと思います。

同時に、日本側の理解と支援が必要だと思います。私のような自営業者などの「自己責任」型は放置してもいいと思いますが、仕事や公務で上海に来る人達には、経済的支援の強化をお願いしたいです。お金がすべてではありませんが、お金で買える安全もあります。また地域社会に貢献しているほうが、周囲も好意的に受け入れてくれると思います。更に、企業による地域社会への地道な活動も効果があると思います。日本人・日系企業の印象を良くすることで、不毛な争いや刹那的な行為を避けていくようにしていくべきと考えます。

中国撤退論もささやかれますが、中国の代わりになる国や地域はまだ姿を現していません。中国の経済規模や資源のポテンシャルなどは、容易に代替できるもではありません。もちろん、人命最優先ですし、利益が道徳や倫理を凌駕することもありません。難しい国ですが、それでも中国との付き合い方を模索していく必要があります。今回の不幸な事件は、残念ながら真相が明かされることはないと思います。我々は我々に出来る自衛策を講じつつ、中国でビジネスをしていければと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?