山本周平
自分のことでいっぱいいっぱいの人生でした。 誰かのことを認めてしまえば、 僕がここにいていい理由がなくなって、 たちまち消えてなくなってしまうのではないかという、 漠然とした不安、恐怖、寂しさがずーっと心の大部分をしめていた10代。 そういった負の感情を無理くり原動力にして、 なんとか誰かに認めてもらいたくて動き続けた20代。 そんな毎日に疲れ果て、何もかもやめて楽になりたいと思っていた31歳の時、 息子がうちにやってきてくれました。 息子が生まれてからというもの、自分
頭から最後まで死ぬほど泣いてしまった。 よくぞこのクオリティで映画化してくれました。 大好きな人たちが次々と浮かんできて。 いろんな想いが全身を駆け巡って、溢れ出る感情を抑えきれませんでした。 楽しかったことも辛かったことも、全部ひっくるめてありがとうね。 僕たちは大丈夫。うん。大丈夫だよ。 色々なことを諦めたふりをしてきた僕だけど、今からでも遅くないのかな? と、そんなことを思いました。 僕には幸い、まだ、僕の俳優としての姿を心から喜んでくれる家族がいるのだから。 自