見出し画像

捨てる紙あれば拾う紙あり

次男は工作やお絵描きが好きだ。

昨年まで通っていた保育園は、
折り紙も材料も好きなだけ使わせてくれる
(子どもにとっては)夢のような方針で
毎日のように作品や空き箱が持ち帰られていた。
その量、半端ない。

捨てていいものはあるか聞いてみたところ、
「ぜんぶ大事だって知っているでしょ?」
大人びたセリフで、たしなめられた。

それから1年後。

小学生になって作品はますます増える一方。
過去の作品は忘れ去られたまま眠っている。

よし、思いきって。

お気に入り作品はファイルにつめて。
最新作はリビングに常設展示。

思い出に胸がキュッとしつつも、さようなら。
溢れそうなゴミ箱3袋分の情熱は忘れない。

さて、時を同じくして。

処分したと思っていた学生時代の作品を
畑の野菜と一緒に実家の母が送ってきた。
たぶん、もったいないと思い拾ってあったのだ。
(実家あるある)

作ったものには未練がない。
いや、見たくないという方が正しいのかも。
理想と現実の差を思い知らされるから。

今すぐ捨てたい衝動を抑え、恐る恐る見る。
懐かしさと、むず痒さ。

残っていたのは「もの」じゃないんだな。
向き合っていた、その時の真剣な気持ち。

たまには、振り返るのも悪くない。