一級建築士に合格するのは容易ではない。けれどチャレンジするだけの価値はある。
こんにちは。やまけんです。
建築と都市計画に関する情報を発信しているブロガーです。
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少しだけ昔の話をします。
資格学校に通わないと判断
以前、建築行政で建築指導や審査を担当していた頃の話ですね。
その頃のわたしの考えとしては、一級建築士試験学科試験の実務要件を得られたら、試験を早めに受験したいと考えていました。
けれど、学校に通っている方には耳障りですが、受験者の圧倒的多数を占める資格学校には通いたくなかったのです・・・
理由とし、自分には独学で合格する知識も努力することも備わっていると思っていたからですね。
あとで思い上がりだと分かるのですが、その当時は、当然、全て独学で合格するものだと思っていました。
今となっては、製図試験については学校に通った方が効率的に最適なルートを歩めるので、逆におすすめしたいくらいですwww
私の場合、学科は余裕でした。
ご存知だと思いますが、学科はしっかりと勉強時間を確保すれば合格することができます。
大学の受験と一緒ですね。一般的には勉強すれば行った時間だけ偏差値の高い学校に入ることが可能です。
ですが、製図試験だけはどうにもならなかったんですよね…
学科の勉強は、どのような問いにも答えが必ずあるので、勉強すれば、した量に比例して知識量も増加するため合格圏内に到達することは可能です。
というか、わたし的にはキャリア官僚試験(理工Ⅰ)をパスしている人が、一級建築士の学科試験に不合格になるわけがないというよく分からないプライドも持っていたので余裕でした。(ちなみに現在は、くだらないプライドは無くなりました。プライドまじでくだらん٩( 'ω' )و)
そのため、製図試験についても、二級建築士の製図試験やキャリア官僚試験の筆記(二次試験の選択で都市計画を選択)もパスしているので余裕だと思っていたのです。
ところがですよ。
勉強してみると、応用の連続で、実務でバリバリ製図をやっている人には敵わないのでは?と思うくらいに、勉強方法に戸惑いました。
理由は簡単なんです。勉強方法が市場に出回っていないのです・・・ひどくないですかと思ったけど、はるか昔の人達はどうしていたんだろ??
勉強方法は資格専門の学校等に通わないと時間内に『合格するための図面』をかきあげる手法を学ぶことができないというのが正しい理解だと思う。
そのようになっているのが一級建築士製図試験の問題だと思います。
というのも、製図試験は減点方式で合否が確定するため、描ききることと、一発OUTになるような図面の不整合がなければ合格することができるのだ(えっへん。)
つまり、これまでの知見が凝縮された最適な方法で繰り返し勉強した方が合格にいち早く辿りつくことができる。
資格学校の場合、受験者が費用を払って勉強しているため、合格しなければという思いが独学者に比べて高い傾向にあるのではないかと思いますし、学校側もこれまでの知見から最適な合格ルートを受験者に選択させます。
そのため、独学者から見れば、合格率を引き揚げている要因ではないかとさえ思うくらいです。笑
とはいえ、合格しないことには、一級建築士にはなれない。
だから勉強手法が出回っていない状況でも私は大手の資格学校が市販しているテキストと模範回答例を見ながら、問題文を読み込むポイント、絶対に外してはいけないようなポイント、エスキス、製図速度を上げる方法を自分なりに理解しながら繰り返し勉強を進めました。
製図試験に独学で挑んで挫折
結果、1年目は不合格となりました。ランクはⅡ 見事に撃沈!!!
理由はわかっていました。エスキスがうまくできなかったのだ。
そのため、試験途中に見切り発車し、途中、不整合を発見しながら手直しをして、時間がなくなり、図面を描き切ったもののダメだった。
ショックでした・・・これまで勉強して1度目でダメだったというのはなかったからですね。(まだまだプライドが高いおとしごろでしたww←今は違いますよ〜)
だから、次の年はいつもよりも早く勉強を開始して、製図試験に備えるようにしました。
このときも周りからは製図は学校に通った方がいいんじゃない?と散々言われましたが無視ですね。
2年目は間違いなく合格したと思った。絶対に合格していると・・・
ところが、またしても不合格でした。理由は今でも分かりません。
時間的な余裕もあったし、見直しも行った。おそらく自分が気づかない法令違反や不整合があったのかもしれない。
そうもう後がなくなった(泣)
私が受験した当時は3年ルールがあり、学科を合格してから3年以内に製図試験に合格しないと学科試験が受験しなくてはならなくなる。
そんなのめんどくさいし、何よりも合格できない自分が恥ずかしかった。
3年目は必死だった。絶対に合格するしかない。
こんな挫折は初めてて、恥ずかしさを通り越して、合格して当然くらいに思っていた。結果、昨年度よりも描いた図面の枚数は多くなった。
毎日、仕事を終えたから描き、2日に1枚のペースで、土日は1枚ずつ仕上げた。どのような応用問題にも対応できるよう、様々なケースを市場に出回っている少ないテキストを参考に勉強した。
それもあってか、3年目の試験終わり時刻頃には間違いなく合格したと確信しました。
ところが合格発表まではやっぱり不安・・・
合格発表の番号を見て本当に嬉しくなった気持ちを今でも忘れない。
大学に合格したときよりも国の職員となった時よりも嬉しかった。当時付き合っていた人にも連絡し、喜んでくれたあの時の声は今でも忘れない。
おわりに
タイトルにもあるように一級建築士を合格するには、学科の知識もさることながら、製図試験に合格しなければなりません。
製図試験は、自分の手で描くプロトタイプを継承する伝統ある試験。
だから、学科を合格し、製図試験を受験するというのは誇りに思った方が良いと思います。
最後に、現代の一級建築士はこの難しい試験を突破した優秀な人達揃いに違いないはずです。
そして、そうした人達が設計した建築の集合体が都市です。
どのような立場での建築士であっても、必ず、この都市を発展・成長させていくというプロセスの役割を担っている。
そして、この都市というのは何百年も残る。
これから一級建築士を目指そうと考えている人達には是非とも、こうした将来をつくっていく一躍を担っているんだという点を理解して、頑張って合格を目指してもらいたいなと思っています。
令和2年度の試験から受験要件が緩和され、建築系大学さえ出ていれば試験は受験することが可能(登録には実務経験が必要)になりましたから、試験傾向も変わっていくでしょうね。
そんなこといっても合格しないことには一級建築士になれませんので、頑張ってください٩( 'ω' )و
▶️合格体験についてはこちらにも書いていますので時間がある方はどうぞ。
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