10JULY16 中国製マグネティックピックアップ買い増しの件

以前にnoteを書いたのと同じマグネティックピックアップを買い増して、いくつかの打楽器に据え付けてみました。

最初に買ったものは金色だった丸窓の中が、今度は銀色でした。どちらかと言えば、こっちの方が好きだなと思います。

ギターのサウンドホールに取り付けるために備わっている羽根部に穴を開けて、そして、これを折り曲げて用いました。

まず、パンデイロに据え付けてみたのがこちらです。
楽器の胴体とピックアップ本体とが板材で直に接すると、ジングルとジングルの心棒とが擦れる音やジングルと胴体が鈍い音でぶつかる音が存外に大きくピックアップされてしまい、収音された楽器全体の音としては、あまり良い感じと思えませんでした。
そこで、楽器胴体とピックアップとの隙間にスペーサーを挟んで、そういった音の成分がいくらかでも小さくピックアップされるように、調整を試みています。スペーサーには、まずは樹脂ワッシャーをいくつか重ねました。今後、入れ替えて結果を見てみるような事もすると思います。

パンデイロに関しては、ジングルの音が皮の音と同等に重要で、またそれらの帯域や音量に関するバランスにも期待したいところなのですが、そのためにはcubemicでの収音の場合でもやはり、収音後の音処理が重要です。単に据え付けて収音しただけでは実用とはいかないというのはつまり、このピックアップを用いるにしろcubemicを用いるにしろ同様で、収音と一緒にサウンドエンジニアリングがあってこそのものなのです (詳しくは、ここなど他のnoteにも書きました)。
そこで、収音段階で先に挙げたような楽器内部の好ましくない音まで収音されるという事があっても、その好ましくない音をもしある程度までの音量に抑える事ができているなら、それはそれでサウンドエンジニアリングの段階でフォローの対応をするので、全体としては、それでも許容範囲かなと考える事にしました。

そこで、それならいっそ新しいチャレンジや検討のチャンスになるかも知れないものとして、パンデイロには今回のピックアップをこのまま採用してみる事にしました。


打面側からみるとこんな感じです。皮には鉄の薄片が貼付してあり、この動きをマグネティックピックアップは電気信号に変えています。
(とはいえこのピックアップでは、タッチノイズ等のピックアップを直接揺らす音も、随分と信号に含んでしまいます。)


次にこれは、皮を二重化して低音寄りに整えた、パンデレタです。

この楽器は奏法によっては振動のパワーが大きく、その時にはピックアップ全体が共振して「ブーン」という音が収音されてしまう事がありました。
それだけ取ればなかなか良い音ではあるのですが、ブーンと鳴って欲しくない時にはやはり鳴って欲しくないものです。そこでこの後で、その現象を避けるために、ピックアップの筐体にスポンジか何か貼ってみて、共振音がピックアップされないように工夫してみたいと思います。
この事は、実はパンデレタの場合ほどではありませんでしたが、パンデイロでも同様の共振音が収音されます。

それ以外の収音結果は、これをパワードスピーカー直挿しで確認してみたところ、なかなか良好な感じでした。


次に、これはカンジーラです。

カンジーラにも今回のピックアップを試してみたのですが、どうもジングルとジングルの心棒が擦れる音と、ジングルと楽器の胴体とがぶつかって鈍い音が鳴るのが、楽器そのものの性格から比べると、随分大きく収音されてしまい、その点が良くありませんでした。
ジングルやそのスペーサーの構成を入れ替えてみたりという事も少し試したのですが、ここはやはり、実績のあるcubemicでの収音に一日の長があり、今回は入れ替えしない事にしました。

この先もしタンバリン系の楽器にマグネティックピックアップを用いるなら、もしかすると、ジングルの心棒に関しての工夫が、課題かもしれません。このピックアップでの収音方法をリクなどにも採用出来ないかな?と考えているので、その点の問題が、EQ以外の方法で解消できたら嬉しいところです。

一方で、ジングルなどの鼓面と独立したサワリのないタイプの太鼓には、今回のピックアップは広く用いる事が出来るのではないのかなあというような印象も持ちました。それは例えば、ラテン楽器とか、ドラムキットにおけるタムやバスドラムや、あとは、ジングルなどがないタイプのフレームドラムなどです。

それらについては、また試したらこのnote.muに書くかもしれません。

ですので、今日はまあ、こんなところで。

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同日、追記)

早速、パンデイロとカンジーラのジングルの心棒を差し替えました。柔らかい針金なので、耐久性に関しては不安があります。
それと同時に、パンデイロのジングルの形が胴と当たる部分で経年で平たくなっていた様なのを叩いて整えたりなどしました。
それらにより、ジングルと心棒とが擦れる音や、胴とジングルとが当たる時に出るそれぞれの低音域の音が目立たなくなり、収音結果はより好ましくなりました。
こういう作業は、簡単でも面倒くさがってしまってつい後回しにしてしまうので、今回一度に進めることができて良かったです。

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