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【連載第1回】小スペースで楽しむミニマム菜園術

2月も半ばを過ぎ、春からの菜園準備をスタートさせる方も多いことでしょう。今年こそは自宅の空いたスペースを有効活用して、野菜作りを始めてみたい! という方におすすめしたいのが「一坪ミニ菜園」です。
全5回連載でその魅力をご紹介します。
(文/和田義弥 写真/阪口克)

「一坪ミニ菜園」とは

「家庭菜園で野菜を作ってみたいけれど場所がない……」という人は少なくないのでは。今回紹介する一坪ミニ菜園は、まさにそんな人にぴったり。
たった1坪、畳2枚分の空間で、年間32品目の野菜が栽培できる技である。

ミニ菜園は、木枠で囲った畑をひもで碁盤の目のように区切り、1マス1品目を基本に多品目を栽培する方法だ。枠はホームセンターで手に入る長さ約2mの木材で作る。すると面積はおよそ1坪になり、枠の内側を縦横それぞれ四等分するようにひもを張ると、4×4=16マスになる。1マス1品目を基本に野菜を植えつければ、春夏16+秋冬16で、年間32品目を育てられるのである。

一坪ミニ菜園の基本となる木枠。一坪を16マスに区切る
春夏の菜園。エダマメ、ジャガイモ、シソにオクラなど多品目が植えられている


トマトでもキュウリでもマスの中央に1株植えつけると、隣の株との距離は40~50㎝になる。これは多くの野菜にとって最適な株間となる。ホウレンソウやコマツナなどの葉物なら1マスで複数株を育てられる。一般的な畑のように、作付けごとに畝を立てたり、株間を測ったりする必要がなく、植えつけや収穫の時期が異なるさまざまな野菜を一緒に育てても管理しやすいところも、ミニ菜園のメリットだ。

キュウリの定植。マス目があるので、株の間隔も一目瞭然

ちなみにアメリカでも「スクエアフットガーデニング」と言われる同じような手法があり、家庭菜園の定番スタイルになっているようだ。


野菜に適した土が簡単にできる

ところで、「野菜作りは土づくりから」とよく言われる。野菜(植物)は土に根を張って植物体を支え、根から水分や養分を吸収して育つ。つまり、よい野菜を育てるにはよい土が必要で、逆に土が悪いと、どんなに手をかけても野菜はうまく育たない。

では、よい土とは何かといえば、水はけ、水持ち、肥もちがよく、空気を含んでふかふかとしており、有機物が豊富で多様な微生物が生息している土である。
畑の土は、堆肥や腐葉土などをすき込むことで、長年かけてちょっとずつよくなっていくが、ミニ菜園はわずかな面積なので土づくりも時間をかけずにすぐできる。もともとそこにある土を、深さ30㎝を目安に耕し、堆肥や腐葉土などを必要量混ぜてやればOKだ。

一坪ミニ菜園の土づくり。木枠のなかに必要な資材を入れて耕す

枠があることで高畝と同じように周囲の地面より高くなるので水はけが改善され、野菜が根を伸ばす範囲も増える。雨や風で土や肥料分が流出するのも抑えられ、一般的な畑のように崩れた畝を立て直す必要もない。最初にきちんと土をつくっておけば、その後に鍬で耕すことはほとんどないし、広さが限られているので、除草の手間もかからない。
最小限の広さと労力、時間、コストで最大限の収穫を得る。それが一坪ミニ菜園メソッドだ。

葉物もこんなにたくさん育てられる
夏の最盛期にはさまざまな野菜を味わうことができる

【一坪ミニ菜園はこんな人におすすめ!】
●庭先のちょっとしたスペースを利用したい
●耕うんや除草に手間や時間をかけたくない
●無農薬、無化学肥料で健康的な野菜を作りたい
●難しいことはしたくない
●管理しやすく、おしゃれな菜園にしたい
●限られた広さでもたくさんの種類の野菜を作りたい

第2回は一坪ミニ菜園のプランニングについてご紹介します。お楽しみに。

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