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【読書感想文】砂漠に眠る禁忌の異界への扉を開くとき『『ネクロノミコン』の物語 新訳クトゥルー神話コレクション 2』

本書収録作より、未踏の砂漠を背景に、一人の探検家が古代の秘密を解き明かす「無名都市」を紹介。

主人公は未知の砂漠を旅し、伝説の都市に たどり着く。そこで見つけた洞窟の奥には、人工的に造られた低い天井の神殿があった。

この作品の見どころは、主人公が神殿の奥で出くわす異形の生命体の描写にある。天井の低い通路を進んでいくと、怪しげな木箱が並んでいる場所に出る。中を覗くと、異様な生物のミイラが収められていたのだ。さらに奥へ行くと、爬虫類のような化け物の大群に出くわし、地の底の異界へと落ちていく。

私は本作を読んで、既知の世界から未知の世界へと足を踏み入れる恐ろしさを感じた。砂漠に眠る都市には、想像を絶する事象が隠されていた。しかし同時に、知らない世界への好奇心も沸いてくる。

総評として本作は、ラブクラフト特有の恐怖と驚異の世界観を体現したものだ。砂漠に潜む異形の生命体との遭遇は、単なる恐怖を越えて、強烈な印象が残る。


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