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NLPトレーニング受講記録 #3

 

はじめに


 今回は、このクラスを紹介してくれた大和さんもクラスに参加してくれました。アジャイル文脈では、こんなシーンで使えそう、とか、ソフトウェア設計のメタファーを使うと、こんな捉え方ができそう、とか、また違った確度からNLPを深堀りできました。いやー、コンテキストが合う人と新しいことを学ぶと、取り入れることの難しさとか、その楽しさとか共有できて、本当に楽しかったです。また遊びに来てほしいなー。


ミルトンモデルとメタモデル

 今回は、ミルトンモデルとメタモデルについて改めて定義を整理したり、利用シーンを学びました。

ミルトンモデル

 NLPに影響を与えた3人のうちの1人である催眠療法のミルトン・エリクソンの言葉の使い方を整理したモデル。トランス状態に誘引するための言葉の使い方。利用される言葉は、抽象度が高く、感覚的な表現が多い。このモデルを使う際の特徴として、利用されている言葉を受け手が自分の解釈を加えて理解するので、共感を作り出すことをサポートできる。他方、解釈が入るということは、歪曲や過度な一般化が入り込む可能性もある。

トランス状態

 トランス状態とは、変性意識状態の一種。目覚めてはいるが、日常的な意識状態とは異なった意識状態。意識による批評が入らないため、言われた言葉を受け入れやすい状態。例えば、朝起きてぼーっとしているとき、寝る前のリラックスしている状態、あくびが出ているとき等。程度や人によっての表現が異なるので、一概にトランス状態に入っているかどうかを外部から認知することは難しいと言われる。これを知って、寝る前や朝起きた瞬間に嫌なことを思い出すと、強い記憶(忘れにくい記憶)になってしまうことが多いのは、トランス状態で意識に働きかけていることが要因かもしれないなぁと思いました。
 トランスとか催眠療法とか言われるとマインドコントロールの雰囲気がでてきて、抵抗や胡散臭さを感じる人もいるかと思います。僕も学ぶ前まではそうでした。ただ、NLPは治療から技法を抽出してきたという歴史的背景があり、治療としての催眠療法は、必要性も効果もある様子(確証までは終えてないですが、医療として採用されてもいるのでデータはあるかと)。偏見を脇において見てみると良いかもです。

メタモデル

  NLPに影響を与えた3人のうちの2人。家族療法のヴァージニア・サティアとゲシュタルト療法のフリッツ・パールズが実践して効果を出していた療法を整理したモデル。ミルトンモデルにあるような深層意識にある自分の考えを、言語によって表現しようとしたモデル。言語を用いた表現では、ミルトンモデルの一面しか捉えられないので、情報の欠落や一般化が生じることがある。

メタモデルを用いたミスコミュニケーションの改善アプローチ

 コミュニケーションをしていて、情報を具体化する際に「なぜ」を問うても回答に詰まる、そんなときには、メタモデルをうまく構築できていないかもしれません。そんなときには、「どんなときに起こるのか」「誰と一緒にいると起きるのか」等、「なぜ」以外の問いを出して、情報を増やすことに留意してみるといいかもしれません。これは自分との対話にも使えて、自分のメタモデルを整理する対話の際に「なぜ」を用いずに他の問いかけを使うことで、他の切り口やシーンを探す。

ミルトンモデルからメタモデルへのアクセス

ミルトンモデルからメタモデルにアクセスする際の留意点

 メンタルモデルは感覚的で自分の中で統一された一貫性を持っている認知のモデル。メタモデルはメンタルモデルを言語化して外部と共有したモデル。言葉で具体化する際には、多様な言語化の切り口が存在するし、具体化する際に情報が欠落するケースもある。適切に表現されないケースは大きく削除、歪曲、一般化大きく3種類のパターン。どのパターンでも見つける際に重要なのは、検証する気持ちで反例(例外)を見つけに行くということ。

  削除
  ・単純削除:不安です。。。(何が不安なのか)
  ・比較削除:話下手なんです。。。(誰と比較してか)
  ・不特定指示詞:このままではだめだ。。。(このままとは?)
  ・不特定動詞:混乱しています。。。(具体的には?)
  ・名詞化:変化がありません。。。(何に対して?)
  歪曲
  ・因果関係:彼が私を苦しめます。。。(根拠は?)
  ・複合等価:
   遅刻したということは、やる気がない証拠です。。。(根拠は?)
  ・読心術:彼は私に批判的です。。。(根拠は?)
  ・判断:
   今の仕事は自分には向いていないです。。。(誰が言ったのか?)
  一般化
  ・全称限定詞:いつも落ち込んでいます。。。(いつも?)
  ・必然性/可能性の叙述助動詞:
  もっと頑張らなくてはなりません。。。(もっととは?)
  ・前提:なぜ苦しいことしか起きないのだろう。。。
   (どうしてそうなると分かるのか?)

NLPの教科書(p90~100)をから一部抜粋

 ミルトンモデルを意識的に使ってトランス状態に誘引する

 1対多の状態の時に、ミルトンモデルの表現をうまく使うと、一度に多数の人の潜在意識に働きかける効果が得られる。演説はうまくこの効果を使っていると言える。例えば、演説に使われる言い回しを分析していくと、ミルトンモデルの表現が多く使われているのが面白い。意識的に情報の抽象度を上げて、聴衆に解釈の余地を残ることにより、自分事として認知してもらえるのだろう

・今の、我々には、***が必要だ(削除・単純削除)
・今立ち上がるか、このまま尊厳を踏みにじられるのか、2つに1つだ
 (一般化・前提)

 最後に、1対1で トランス状態に誘引するワークを実施したので概要と感想を記載する。
 ポイントは、「Yesセットを取る」こと。共通のVAK(Visual, Audio, Kinetics)のインプットの中で否定しようがないことを3回共有する。質問の仕方は、抑揚を抑えながら、五感に訴えながら聞くことを意識する。直接的な表現、考えさせないことが重要。つなげて聞きながら、3度目の質問にはリードをいれる。

今、***が見えていますか
今、***を感じていますか
ひょっとすると、少しだけ****と思っているかもしれませんね。

 やってみて驚いたのは、驚くほどリラックスした状態を短時間で作れたこと。思い起こせば、リラックスして話す場を作ってくれる人は、自然にやっていることに気がついた。意識してラポール形成の際のページングやミラーリングと組み合わせると、効果が得られそうだし、自然にできればコーチングのセッションのチェックインでも活用できそう。

おわりに

 いやー、言語化がうまくできなくて、言いたいことが全然伝えられてないけど、今回も学び深かったーーー。思えばこういうふるまいって、良いよなーと思っていたふるまいの背景やメカニズムがどんどん解明されていく感じ。

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