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CPUが火を吹いた話(経験不具合リスト001)

バッテリー(電池パック)の開発を仕事にしているので、特有の自己をやらかすことがあります。今日はそのなかの一例を書いてみます。

車載を除くリチウムイオン電池パックは、電池と制御用基板が入っています。私の部署では電池パックを作っており、私の仕事は制御用基板に載せるソフトウェアの開発や制御機能のテストになります。

そのときは、デスクに評価用のちっちゃい6直列電池と、基板、ロガー、安定化電源、電子負荷などを置いて、残量計算があっているか、電圧が測れているかなどを確認していました。最初、電圧計測値がなぜかブレるので、各電池と基板の間にある計測線を皮膜を剥がしてそこからロガーで電圧をモニタしていました。グランドと6直列、合わせて7箇所の被膜を剥がしました。結局電圧ブレについては、ICの仕様の範囲内と結論付けたのですが、被膜を剥がした箇所の養生……紙テープとかで絶縁するのをサボったんですよね。時間もなかったし、ずらして剥いたから短絡しないでしょ、と思っていました。ちなみに、制御基板にはUART-USB変換基板(秋月製)をつないでいましたが、こちらもケースなどなく、裸の状態でした。


被膜を剥がした計測線の図

しばらくその状態でデバッグしたあと、「次の保護機能テストだー」と、6直列電池を移動したのです。そしたら、例の計測線がばらばらばらっと、秋月基板の上に落ちて、ブシュっという音。基板上のCPUから4個所、1cmくらい火が噴き出しました。被膜を剥いた箇所から電池電圧のどれか(最大24V)が秋月基板に接触、通信線を通って制御基板のCPU(5V系)につながり、グランド側については電池と制御基板が計測線で接続しているので、5V系に24Vがかかって大電流が流れて発火したわけです。

CPUが火を吹いた図

発火した跡が黒く焦げて少し盛り上がっていました。

秋月基板の通信線も切れていたので、接触箇所は通信線だろうなと思います。このCPUって内部で4つの電源入力が分かれているから、通信端子だけだと1箇所しか燃えないはずなので、プルアップ抵抗を介して5Vライン全体が24Vになって発火したのかな。その後、たしか、CPUの貼替えだけで復旧したから、他にダメージが無かったのは奇跡でした。特にパソコンが死ななくてよかった。

今回の反省:面倒でも絶縁しましょう

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