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児童自立支援施設について③

前回の続きです(児童自立支援施設について②)

今回は当時、小学生だった私が児童自立支援施設、入所した児童について感じていた

「外(社会)から見た感覚と内(一緒に暮らした人)から見た感覚のズレ」

について書いていきたいと思います。

小舎夫婦制で働く両親の元で育った私は小さい頃から寮に入所した児童(小学5年~中学校3年)とよく遊んでいました。

当時、入所児童の多くは「学校で問題を起こす不良」「大人でも手が付けられない問題児」であり、家庭裁判所や児童相談所経由で送られてくる(『措置』と言います。)のですが、

記憶にある限りほぼ全員が、私に優しく接してくれました。まだ小さい頃(幼児~小学生低学年)ですから、肩車から始まり、サッカー、野球、バドミントン、水泳等、スポーツを何でも教えてくれましたし、小さい自分も楽しめるようにちゃんと手加減もしてくれました。

↑これについて皆さんはどう思いますか?

「年下、それも寮長の子なんだかそりゃ可愛がって当然だろう」と思うか、「不良や問題児でもそんな面があるんだ。意外」と思うか、はたまた「たまたまその施設はそういう子が多かっただけじゃない?」と思うか。

これだけでも意見がかなり分かれると思いますが、実際に経験した身としては

「周りが言う程悪い奴」はそんなにいない。と言うことです。(もっとも、本当に悪いことをすれば施設では無く、少年院、刑務所に行くから、という現実もありますが。)

少なくとも児童自立支援施設に措置されてくるような「大人が手に負えない不良」「学校一の問題児」でも『根はみんな優しい』んですよね。それどころか、そう言われる人達程、実は年下の面倒見がとても良かったり、畑の作業や、野球練習をもの凄く頑張れたりします。

不思議ですよね。「学校一の問題児」でも施設内では「体力もあるし運動神経の良い、優しいお兄さん」になっちゃうんですから。

当時も、小学生ながら不思議だな~と思って「なんでここ(施設)に来たの?」「そんなに悪いことしたの?」と親や本人に聞くこともありました。

親に聞くと「悪いことをしなければここに来ることは無いからね。普段は優しい子だけど。ね。」と言われましたし、本人に聞くと「ムカついて先生殴っちゃったんだよね」「ガラス割ったりとか、夜中バイクで、、、」等、学校や家での悪事を端的に話してくれました。勿論そこまで詳しくは話してはくれませんけど。

「ああ、確かに悪いことしてるな。」と思う反面、

「こんなに優しいのに、なんで家や学校だと優しくできないんだろう。」「なんでここ(施設)では暴れたり、悪いことしないんだろう。」とも思いました。

そんなことを繰り返すうちに、小学校高学年になる頃には「全部が全部その人のせいってことでも無いんだな。」とぼんやりと考えるようになりました。

話を聞いてみると、その人なりの理由がちゃんとありましたし、一度貼られてしまったレッテルを払しょくすることがとても難しいことも分かってきましたから。

次回も引き続き、小学生時代に感じていたことについて書いていきたいと思います。

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