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児童自立支援施設について②

前回の続きです(児童自立支援施設について①)。

入所した児童達は「規則正しい生活」をする中で成長、施設的な言い方をすると「更生」していきます。

朝起きると布団をたたんで外(玄関前に庭があります)でラジオ体操、体操が終わると施設内をランニングし、戻ってきた所で掃除をして、朝食を食べます。その後施設内にある学校(分校)へ。

学校ではその子の学年に合った学習をしてくれます。自立支援施設に来る子達のほとんどは学校に行けていなかったりするので、学年が同じでも理解度は児童によってマチマチだったと聞きます。

昼食は施設内にある食堂で食べます。座学の他にも作業をする時間があります。施設は広く、森の中なので道に溜まった落ち葉を掃く、草刈りや畑を耕す、と言った作業をすることも多いです。

学校から戻ってくると余暇活動があります。寮によって違いますが寮内で過ごすこともあれば、時期によってはプールに行ったり、体育館に行くことも多いです。夏場は施設対抗の大会に向けて、グラウンドで野球をする日も多かったです。

自分も学校から帰ってきたらランドセルを玄関に置いて、そのまま合流して一緒に遊ぶ、なんてこともありました。小学校の自分から見れば中学生の子達はみんな体の大きいお兄さん達。沢山遊んでもらった記憶があります。

17時頃から入浴をして夕食。食後休みがあって、そこからは学習時間になります。宿題の時間ですね。施設によっても違いがあるかと思いますが、食事をするテーブルに座ってみんなでやっていました。寮長もテーブルに一緒に座り、わからない所は教える。と言った具合です。

毎回ではありませんが自分も一緒に宿題をしていました。一人よりもお兄さん達に混じってやる、と言うことが楽しいと感じていました。終わった人から余暇時間に入ります。

就寝時間は9時です。12畳ほどの居室に2、3人が川の字になって寝る、と言った具合です。児童養護施設とは違い人数は少ないので、狭くはありませんが、決して広いとも言えません。

居室は鍵がかかるようなタイプではなく、和室のふすまのように引き戸タイプで、引き戸の真ん中にはガラスがあるので、扉を閉めても中が見えます。

夜に寮長が見回りをする際はガラスを通して居室内を確認できるので、こちらからすると見回りしやすいですが、入所児童側からするとプライベート感は全く無いように感じるかもですね。

以上が児童養護施設の一日の流れになります。

少年院とは違って、生活の中に罰則があるわけでも、鍵のかかる部屋で一人で過ごすこともありません。集団生活や寮長寮母との関係を通して、日常の生活を送れるよう、過ごしていきます。そしてある程度問題無く生活ができるようになれば退所となります。基本は3月(進級、卒業)に合わせて退所することが殆どですが、人によっては長期休みの帰省に合わせて退所する場合もあります。

次回はこの児童自立支援施設で過ごす入所児童との関わりを通して、当時小学生ながら感じていたことを書いていきたいと思います。

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