4周年祭での話(メモ)

会社で4周年祭をやった際に、全社の前で話したことを、こちらのnoteに記載します。

Jentは4周年を期に、「誇りを持つことを許され始めた」という話をする

最近、Jentは4周年を迎えました。すごく長く感じる4年でした。まだ4年しか経ってないんだというのが率直な気持ちです。

3周年でさえかなり前に感じますが、そこからの1年を経たこの4周年の現在、
僕は事業、会社に対して
「誇りを持つことが許され始めた」
と感じています。

誇りを持つことが、許され始めた?

「いや誇りを持つことに許可もクソもねえだろ、ていうか誇り持ってない事業とかやってたのかよ」
という第一印象を持ってるみなさま、ぜひぜひ読んでいってみてください。


「誇りを持つことが許されない」って???

ごく個人的な感覚ですが、Jentは正直、3周年くらいまでは「誇りを持つことが許されない状況」という感覚でした。
誇りが持てない/持ちたくない、ではなく、「誇りを持つことを許されない」、です!(誤解なきよう。)
誇りを持ちたくても、それが許されないという、話です。

許されないって一体何かというと、
代表である自分は、成功確率を0.1%でも下げる行為をする権利は当然なく、
誇りなどという感情を持つことはそれに反する行為である、
的な味合いですね。

背景を書くと、


不確実性の高いフェーズのスタートアップを運営するにあたって、仮説検証こそが全てであり、
その仮説検証の精度を妨げるバイアスは全て取り除くべき。
バイアスは様々なものからもちろん発生するが、その一つとして「創業者の事業への執着」が大きい。
事業は常にフラットに冷静な目で見るべきで、執着につながる誇りなどといった感情は持つべきではない。

といった意味です。

一回最初に決めたことに固執してしまうがゆえに、失敗してしてしまうことがあります。会議で発言したことが翌日間違ってたとわかっていても、それを撤回できない、というような日常にもよくある、かもしれないこと。

起業は、そのような状況に陥りやすいケースの1つだと思います。声高々にやることを宣言し、色んな人を巻き込み(迷惑をかけ)、新しいことをやります。
マジで、前言撤回ってやつが難しいです... たまにデカイ事業のピボットの記事とかが多くシェアされたりしますが、まああんな感じだと思います。

そういった背景で、代表として事業を少しでも成功に近づける責任があるので、誇りとかの感情を不要に持つことは立場上許されないと考えています。


そしたら、誇りってやつは持たないほうがいいの???

バイアスがかかって意思決定がブレるのであれば、誇りなんてものはもう持たないほうがそもそも良いんですかね?という話もしたいと思います。

僕の考えとしては、誇りを持ったほうがいいか、持たないほうがいいか、それは

「事業のフェーズによる」、と考えています。


スタートアップの事業フェーズでは、初期段階であればあるほど不確実性が高く、後半のフェーズに行けば行くほど事業の方向性は定まり、スケールを狙いに行く状態となります。

このとき、
初期段階の状態においては誇りは、前述の通りバイアスや、加えて自身への期待値調整ミスになるので、という点で不利に働くと思います。

バイアスは先程書いたのですが、「この事業が好きだ、絶対うまくいく、価値がある」と思ってればいるほど、現実世界では仮説が間違っており、重要と思っていることに対して考えを改めないといけないシーンに遭遇したときに、メンタル的なダメージを受けます。
(これを何回かやると心が折れますw)

しかし、不確実性が一定消えてきて、「この事業、この仮説でやりきる」というフェーズに入ると、
誇りを持てていたほうが社内外の方々に思いを伝えやすかったり、個人としても頑張り続ける理由の一つになると思います。

その後フェーズが進んでいき、事業の仮説が一定検証され、
「この事業でスケールするぞ!!!」となったら、むしろ誇りを持っていったほうが良いと考えています。
事業が定まり、領域や競争優位性が定まり、その事業でスケールすることを決めた場合、もう基本的に前を向くしかないからです。

誇りを持つことによって、例えば事業へ執着することができ、起業家のメンタルがブレず、持続可能に事業にコミットすることがより可能になってくると考えます。
そんな感じで、事業の成長フェーズによって「誇りを持つこと」の価値が変わっていくと考えています。


じゃあJentはフェーズ的にはどうなの?

やっとJentの話です。

そういった背景で、代表である僕は、誇りを持つことが、「フェーズ的に」許されてないと考えてきました。
で、まさにJentがどうなったかと言うと、この4周年のタイミングで振り返ると、
誇りを持つことが許され始めるフェーズにきた、と感じています。


3年目ではそこまで思ってなかったのに、4年目でなんで思えるのか?
それは、Jentは、この1年で大きな競争優位を手に入れたと確信しているからです。

ざっくりですが、Jentはこの1年で世界中のギグワーカーのリソースを利用して高いCVRが出せる、スケーラブルなシステムとオペレーションを構築しました。そしてそれが評価され、上場大手の裏側のチャットの運用を全て弊社でやるところまで来ました。

※詳しくはこちらの記事に記載しています
https://www.wantedly.com/companies/company_5922576/post_articles/353459

そういったこの1年の変化で、前述した「フェーズが変わる」感覚があり、これまでの
「誇りを捨て、いつでも拘りなく全パターンの道を選べる」状態
から、
「十分な価値がわかったので、この道を絶対に確実なものにする」状態
に移りつつあると思っています。



4年前を振り返ってみて思うこと

そもそも、僕はなんで起業したのか、というところに立ち返ると、それはまさに、「誇りを持って仕事をしたい」と思ったからに他なりません。

別に死ぬこともない日本に生まれて、ネットフリックスで月1000円で幸せが買える時代です(?)。
前は「生きるために与えられた仕事をする」でノールックだったかもしれませんが、
今は「仕事しなくても死ぬことはないが、意義を見つけて何かを成し遂げるために、自ら選んで仕事をする」という考え方になるのも、ある程度自然ではないでしょうか。

その最たるが起業でもあるような気がします。そういった誇りを持った働き方をしたい、と思っていました。

でも、創業したら面白いもので、「誇り持つのはクソ」と自分に言い続ける感じになるわけですw全ては、勝つためです。
仮説検証のために、バイアスがかかってはいけないいつかの誇りのために、今をクソだと言い続けたわけです。

なんかちょっと悲しい話な気もしますよねw でもそれが現実でした。まずは成功しないことには何も生まれません。短期の目線より、長期の目線で誇りを持てるほうが重要です。

そして僕は今、前述の通りフェーズが変わり「誇りを持つことが許される」タイミングにきた、と感じています。感慨深いものがあります...
とても良い4周年となりました!


もっと誇りある事業へ!

もちろん、まだまだスタートアップの域を出ない弊社の規模感では、まだまこれからも様々な不確実性が待っていると思います。
でも、そんな中でも大きな一歩を踏み出した、確固たる競争優位を獲得した1年だったと感じます。

内外ともに、誇りある事業へ成長したJent、
今年もしっかり頑張っていき、来年はもっと違う景色へ進められるように!

改めて、誇りを持って、臨みたいと思います。

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