テレワークの成否の1つはOODA活動の見える化とクラウドツール選び

全社完全テレワークを開始して3か月が経過しました。
ここにきて、テレワークの難しさを体感しまた解決しようとしていることを書き留めたいと思っています。これは社内用でもあり同じような環境に直面しているあるいはしつつある特に製造業の方のオフィスワーク部門の方が対象で、モノを扱う部署の方には参考になりません。

1・OODA活動の見える化

製造業の皆さんからすると、よくご存じの見える化。
業務の可視化は、平成の時代から言われていることで
もう20年以上は経過していると思います。
見える化については、製造業ではQMSやEMSを通じて有効に運用している企業では、業務に浸透してなじみがあるものと思います。

「見える化」は、業務をデータ記録を行うことによって、それにより裏に隠れているものを発見特定し、理解し、判断、共有することで、組織としてより良いサービスに向上させたり、対象の業務の質が向上するというものです。

テレワークをすると、業務が見えなくなります。オフィスで経験のある上司が中心となりその周りに部下と同僚先輩を空間を共有していることでコミュニティをなしていて、朝一で会議を行ったり、営業が営業先から戻ってきたときに、どうだった?と聞くようなこと、同行して道中にコミュニケーションを行うこと。。。実は、意識しなくても、業務が上司と同僚の範囲で「見える化」されている行動になっていた可能性があるのだと思います。
営業組織がISOの取り組みに対してあまり積極的でないというか効果を発揮していない企業も少なからずあるかと思いますが、これはISO自体の管理項目が、ISOで設定する目標数値(KPI)と、コミュニティでのコミュニケーションで得られる活動が(情報収集→判断→改善・共有、気づき→工夫→新しい行動)と必ずしもマッチしていないと営業現場が思っているからではないかと思います。

実はテレワークで発生する問題はこの部分とどこか類似しているのではないかと、最近思うのです。
オフィスワークをテレワーク化する場合に、物理的なオフィス空間を共有するコミュニティにおいて行っていた創造的業務について、何を代替するのか、というように考えると解決の糸口になるのではないだろうか、と考えるわけです。

具体的に、上司が行う営業どうだった?、会議、道中のコミュニケーションを、以下のプロセスの可視化してみましょう。

①顧客や代理店や工場や社内関係者と営業担当とのコミュニケーション内容についての現場の「情報収集」
②それに基づく上司の経験上の「解釈・判断・意思決定」
③指導・指示・教育の発信
④そして①に戻る、繰り返し。
これをOODA(Observe Orient Decision Action)と言います。

ところが、テレワークになりますと、上記①の現場の「情報収集」が困難になり、したがって②~④も実行できなくなります。

最近新型コロナ肺炎の機会にテレワークを実施始めた営業の方に聞くと、営業訪問の後の残業が減って、働き方改革になった、というのですが、よく理由を聞くと上司とのレビューや会議がなくなった、ということです。これはまさに、OODAの機会がなくなっているということを証明しています。営業員個人にとっては良いですが、会社組織としてみた場合には、このOODA不足により、組織的活動が効果的に行えなくなり、いずれ営業員個人の業務成果にも影響が出てくるでしょう。これを現場のコミュニティで行っていたところを、テレワークでも実行するには、その活動がリアルタイムで「見える化」することが必要になります。

2.OODA活動とクラウドツール選び

OODA活動を「見える化」するには、その活動を記録すること、にほかなりません。記録するのは、この機会にクラウド化しましょう。クラウド化により、VPNによる自社のサーバーにアクセスするより、圧倒的に低コストで高いセキュリティを確保できるようになります。

営業活動のOODAなら、SalesForce、Kintone、Microsoft Dynamics365、SanSan等、SFAなりCRMのツールがお勧めです。

テレワークや外出先からであってもセキュアードにアクセス可能にする意味でクラウドであることが重要です。

これにより、
①顧客や代理店や工場や社内関係者と営業担当とのコミュニケーション内容についての現場の「情報収集」
②それに基づく上司の経験上の「解釈・判断・意思決定」
③指導・指示・教育の発信
④そして①に戻る、繰り返し。

を行うことができるようになります。

運用上最も重要なことは、
①を可能にするように「各営業員が活動記録をしっかり残す」こと。記録内容については、「5W2Hの報告の基本をしっかり押さえた記録を行う」ことです。
これがしっかり記録されていることが前提スタートになるからです。

5W2Hは、
Where:電話・訪問・セミナー・展示会・WEB面談・メールどれなのか
Who:どの会社のどの部署の誰となのか
When:いつなのか(時刻)
Why:そのコミュニケーションの目的(タイトル)
What:コミュニケーション内容
How:コミュニケーションの後、どうするのか?
How Much:コストや価格・時間軸などの、定量的に計測できるように

当たり前のことかと思いますが、これをしっかり徹底して新人営業員含めて記録させることが基本になります。
CRMやSFAツールには、これらを記録しなければならないような枠組みになっていますし、ツールによっては、時刻やメール/電話については自動記録してくれるものもあります。

②は、①に基づいて上司が、記録を通じて脳で情報処理(解釈)を行い、同時に③で発信する行動になります。
上司が①の活動記録を確認し、そのうえで、記録についての確認をTELなりWEB面談で営業員と行い、そのうえで判断と指示を、口頭及び、関係者全員に共有する意味でも、SFAやCRMに指示を残すことになります。
テレワークにおいて注意しなければならないのは、口頭だと1対1しか伝達できない伝達効率の悪さです。
文字は面倒ですが、しっかり言語化する時間の手間と、同じことを電話で伝えること、もし部下や連絡すべき対象者が5人いたら、文字の方が効果は高いです。あるいは、TEAMSを使うのであれば、1対1でやり取りしているときに、他の関連メンバーもCALL追加することも「あり」かもしれません。
文字が良いのか口頭が良いのかの判断基準は、指導は口頭、指示は文字が良いのではないかと思っています。
指示は、いつまでに・なにをやってください、という期限がある形になりますから、実行の確認を要することになりますので、文字で記録することで自身が指示したことを忘れないことにもつながります。クラウドツールにTO DOや活動予定など記録できる機能がありますので、これを活用しましょう。

以上、当社でも完全にできていない部分バラつきもあるので、社内向けの意図も込めて。




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