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「★翔こう! 大きく! 強く! 明るく!★」他(第3号・2002年 4月19日発行)

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---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------
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------------------------------- 第3号・2002年 4月19日発行 ----
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☆今週は、6年生トラック
1982年度・富良野市立鳥沼小学校6年学年通信「つながり」より
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★翔(はばた)こう! 大きく! 強く! 明るく!★

さあ! さあ! とうとう
      —やっと かな—
六年生だぞーォ

やることが いっぱい あるぞーォ

・先ず お勉強!
 国 語・社 会・算 数・理 科
 音 楽・図 工・家 庭・体 育
 そして 道 徳・表 現・・・クラブ活動
            ・・・・・・
・児童会活動・校外分団活動・少年団の練習や試合
      ・遠足 ・家庭訪問
・修学旅行! ・写生会 ・“みんなで走ろう!”
      ・平和行進 ・なわとび
・運動会  ・水泳 ・花園(はなぞの)造り ・スポーツ・テスト
   ・お祭 ・キャンプ(も今年コソハ ヤロウゼ)
 ・学芸会に・持久走大会 ・理科教材園
   ・アルバム・文集づくり ・参観日
  ・スキーも ・雪中運動会も ・お別れ会

ウワーッ
こんなに たくさんのことを
たった 240日で

“ことしの 六年生は
 立派だったな、がんばったな”

と みんなに言われるように できるかな。


  勉強は 一 日 ○時 間
  運動は 一 日 ○ 〃
  遊びは  〃  ○ 〃   16時間を
  テレビは 〃  ○ 〃    どう使うか。
  食事は  〃  ○ 〃
  ねむる時間は 最低8時間<これは削(けず)っちゃいけない>

たいへんだぞー これは!
すごいぞー   これは!
つらいぞー   これは!
苦しいぞー   これは!
冗談(じょうだん)で ないぞー これは!

—黙って!
 何をしなくても 自然(しぜん)に!
 時間が経(た)って!
 何となく終わって!
 何となく 卒業できるさ—

—そして 何となく 年(とし)をとって!
 オバンとオジンになって!
 なんとなく、死んでいくのさ—

  1982、4、7      T.O

(1982年4月7日)

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★厳しく、優しく—ご挨拶に代えて—★

“佛の顔も三度”とかー。
佛どころか、原住民と見間違(みまちが)えられる出目の鬼面(おにづら)が、三度目!
ゴメンナサイ。
運命・宿命・くじ運が悪かったと あと一年 辛抱(しんぼう)して下さい。
でも、この27年間、どちらかというと
鬼面(おにづら)のせいか、蛮声(ばんせい)のせいか、高学年担当が多く、
その意味では 馴(な)れています。—マンネリの声も—

お子さんを
こじらせず、ひねくれさせず、こわさず、傷つけず
しっかりと しごいて卒業させます!! おかあさんと私で
“厳(きび)しく 優(やさ)しく”を合言葉にしましょう。
中学へ進んで、扇山小や東小の卒業生に、学力も
運動も、生活も、そして何より人間として負けない
子どもに仕上げるつもりです。信じて任せて下さいね。
文句(もんく)や不平や不満(ふまん)は、お子さんの前や陰口(かげぐち)でなく
直接 私に怒鳴(どな)り込(こ)んできてくださいね。それが“つながり”です。

(1982年4月7日)

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★4年目の鳥沼★

 Aさんの西瓜(すいか)畑が、まるで温泉地に見るように湯気(ゆげ)が立ちのぼっています。鳥沼公園の樹々(きぎ)の四季の色あいの移り変わり、国の子寮との境(さかい)のポプラ並木の葉の盛衰。ことしこそ、一年を通してカメラに収(おさ)めておこうと思いながら、鳥沼にお世話になって4年目に入りました。
 3年生だったひよっこたちも、今や6年生。都会の小学校なら、進学相談が、参観日や家庭訪問の中心話題です。
 東京の子は、普通(ふつう)4年生ぐらいで“俺は早稲田だ”“ぼくは外語大にする”と学級の中や通学バスの中で話しているそうです。受験体制がどうのと論(ろん)ずる気は、今はありません。ただひとつ、“6年生は6年生”。東京も鳥沼も同じ年令の子どもです。学習はもとよりガッチリ育てたいものです。
(1982年4月9日)

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☆来週は、「おかあさんへの手紙」の成り立ちなどについて、発行者が説明する予定です。読者からのご質問に、優先的にお答えしようと思います。お待ちしています。

☆このメールマガジン版では、明らかな間違い以外は、筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。

筆者・山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。

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◆編集後記「千鳥足」◆

 今回は、3編を載せました。正確に言うと、「山口智」としての作品が2編。詩人・脚本家としてのペンネーム「大津哲太郎」の作品が1編です。冒頭の文章「翔こう! 大きく! 強く! 明るく!」は、「T.O」という署名が入っているように、「大津哲太郎」の作品です。新年度最初の学年通信だったので、巻頭言として、父なりに、力を入れて書いたのでしょう。

 もともとはガリ版刷りです。パソコンで出来るだけ正確に再現しようと試みました。でも、限界がありました。この点、紙の本にする際の課題として、積み残そうと思います。

 ところで、大津哲太郎という名前。父は、遅くとも31歳だった1966年10月には使っています。当時、勤務していた旭川市立向陵(こうりょう)小学校4年生用の劇の脚本「みんなの力で」に、「大津哲太郎 脚色」と書いています。見つかっている中では、これが最古の「大津哲太郎」作品です。この作品は「みんなの力」(時期・学校不明)、「みんなの力で」(66年向陵小、72年風連中央小)、「冠のない王様」(81年鳥沼小)——と、転勤とともに、タイトルを含めて改作していった「可愛い」自作脚本だったようです。

 脚本については、機会を改めて記します。演劇は、父のライフワークの一つで、他にも何編かの作品を自作したり、上演のために、他の方が書いた脚本のセリフなどを手直しする「テキスト・レジ」もしています。このメールマガジンの申し込み用サイトにも載っているバナーには、自作脚本の中での代表作「シャクシャインが哭く」を、最後の勤務校・東川第二小学校で演じた時の集合写真も使っています。

(発行者・山口一朗)
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■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
        yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
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※トップの画像は、「鳥沼公園」(c)Tomo.Yun
鳥沼小学校に近い公園で、この写真は「
ゆんフリー写真素材集http://www.yunphoto.net よりご提供いただきました。ありがとうございました。

■「おことわり」

 原典では「Aさん」は固有名詞が入っていましたが、この復刻版ではイニシャルとしました。(編集者・悟風のムスコ)

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