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コミュニケーション

どうも、タイタンのものです。
タイタンというお笑い事務所のネコニスズのヤマゲンです。
なんのこっちゃわかりませんね。
なんのこっちゃわからんマトリョーシカですね。
タイタンというお笑い事務所のネコニスズというコンビのヤマゲンという芸名で活動している山元康輔です。
一応ディレクションしてカットはしておりました。

最近Spotifyで呪怨のCMが流れてくるのが怖いな〜ってなってます。
あのホラー映画独特のカラカラカラみたいなあの音、イヤフォンで聞くの最高に怖いな〜ってなってます。
ヤマゲンです!宜しくお願いします!


たまにコミュニケーションモンスターと言われることがある。
コミュニケーションをめちゃくちゃとるのがうまい的なこと。
モンスターは基本的に良いイメージないのでコミュニケーションマスターとかプロコミュニケーシャーとかが良い。
とはいってもそこまでコミニュケーションがうまいわけではない。
うまいような気がするだけやと思う。
関西弁やからやと思う。
お節介でガサツな奴なイメージなんやろ?お見通しや!

小さいころはびっくりするくらいプロコミュニケーシャーやった。
幼稚園生くらいの頃は公園で誰かれ構わず公園で話かけたりしたらしい。
小学校の遠足のときに1人でご飯食べてるホームレスのおっちゃんに話しかけて一緒に弁当食ったりした。

今絶対やらへん。
誰かれ構わずってもう無敵やん。
冠番組のMCやん。冠公園。回しやん。
そんなん出来たらえぇな〜とか今少し思う。
邪気なしのすっぴんで。
全然でけへん。

一人になると人に話しかけたり絶対しない。
美容室でこれでいいですか?と聞かれたら気に入ってなくても「はい。」言うてまうし、コンビニの袋大丈夫ですも相当小声やし。

何年か前、1人で電車に乗ってると近くにいる人が倒れた。
その瞬間めっちゃどうするか迷った。
周りを見た、全員僕とおんなじ顔してた。
全員迷っていた。
ものの2、3秒。そんな迷てる時間あるなら行け!おい!って自分に思ったけどなかなか行けなかった。
みんなもそうやった。そんな空気が充満してた。みんなおんなじやった。
すると、倒れた人が自力で立ち上がった。
一気に安堵の空気になった。

このことが引っかかりまくってる。
絶対大丈夫ですか?言うて駆け寄るべきやった。
ほんまになんかあったら大変なことやし。
なんもなくて良かったからまだえぇけど、自分の中でめっちゃ変な塊になって残ってる。自分が助けに行かない派なんやと知ってガッカリした。
みんなが思うコミュニケーションモンスターなら絶対気絶してはる人にもコミュニケーションとりに行くはずや。
それからは助けに行こうと決めた。
人の目を気にするのをやめようと思った。

電車の席譲るんも一緒。
ここどうぞも1人でいると、なかなか勇気いる。

この前、僕が座ってる席の隣だけが空いていた。
ちょくちょくある。強面やからなんなのか人が座らないことが。
その時におじいさんとおばあさんが乗ってきた。
僕は席を譲った。おじいさんおばあさんが立ってるところまで寄って行き「よかったら、席、どうぞ」と優しめの9文字を放った。
おじいさんとおばあさんは「ありがとうございます」とその場で何度も頭を下げていた。「息子のところに行くんです〜」嬉しそうに話してくれた。僕も嬉しかった。
「座って下さい」言うて自分が座っていたところに誘導しようもしたとき、もう人座ってた。音楽聞いた若者やった。
僕は座って下さいをそっとしまってその場を立ち去った。
僕は若者を注意出来なかった。
イヤフォンをはずさせて、「ここ譲ったんです〜、すんません〜」濃優しい13文字を放てば良かった。
1人の時注目浴びるん嫌で勇気振り絞らへんねやな、俺。
絞るより、搾り倒して、一滴の勇気残ってません!くらい搾り倒したいな〜。
おじいさんおばあさんごめんな〜。強くなるわ、俺。


そこから真のプロコミュニケーシャーになるべく僕は色んな人に話しかけたりした。カウンターの飲み屋での隣の客に「よう来はるんすか?」とか、ハンカチ落とした人に「お姉さん、ハンカチ落としましたで!」とか、犬散歩してる人「この子名前なんていいまんの?」とか。

みんな気さくに話してくれる。よし、よし、俺は完全に伸びている。

大胆な作戦を企てた。
一年間、知らんおっさんの家に泊まれるチャンスあったら泊まろう。

狙いの10割は飲み屋。
酒飲んでないとそりゃまだ無理っすよ。
日中話しておっさん家泊まるん無理や。

色んなおっさんと飲み屋で仲良くなった。
でも、絶対泊まる流れにはならない。
そりゃそうや。俺が美女やない限りおっさんからウチ泊まるか?とはならん。
家族いてるおっさんは無理や、独り身。

そんなとき飲み屋にめちゃくちゃ調子の良いおっさんがいた。
歌をとにかく歌う。
演歌とかの類を口ずさむんやない、スキャット的な歌を酔うたら口ずさんでる。
しかもなかなかおしゃれなおっさん。
ナチュラルグレーの髪、整えられた髭、すらっと足の長いおっさん。
スキャットの足長おじさん。
そのおっさんと隣の席でめちゃくちゃ話した。
なんやったらオーディエンスがいたのでウケようとしたんやろうけど、おっさんからキスしてくるくだりみたいなのがあって何度か口づけを交わした。
歯の病気だけ心配やったが、真のプロコミュニケーシャーへの道のり、仕方がない。
その日おっさんは気分よく帰って行った。

え、帰ったん?泊まりいかんの??と心配してるみなさん!焦りは禁物です!
こんなスキャットキッス足長おじさんなんてなかなかいない!!ウルトラレアや!ガチャ課金せんと出んで!
これは牛歩作戦です!ゆっくり縮めて行きましょ!
飲んだ帰りに家で1杯だけやろか〜を狙って行きましょ。

しかし、僕はそれからもその飲み屋に何度か行きましたがそのおっさんは現れなかった。どこかで上機嫌にスキャットでも口ずさんでいるのか、そんな時、

ある日、道でそのおっさんに会いました。
僕はそのおっさんを見かけたときに、「あ、あのおっさんや!!!」と心震わせ、おっさんに手を上げた。
こっちを見ておっさんと目があった。
おっさんは焦って僕から目を反らし、僕の横を通り過ぎていった。

え、待ってくれよ、なんでや、なんなんや、
ほな、あの日のあのキスはなんやったんや、あれは遊びなんか、、
おっさん!待ってくれよ!あん時のキスして一緒にスキャットした俺やで!!

おっさんの背中は小さくなって僕の視界から消えた。

そうか、あのおっさん、酒で記憶なくすタイプなんや。
酔いどれの最終形態がスキャットなんや。
覚えてないんや、俺のことも、勿論キスのことも。。

僕のおっさん家泊まろう週間は終わりを告げた。

それからも普通に色んなおっさんと飲んだが、キスは交わしていない。
もう普通に楽しく飲んで、おやすみなさいと挨拶を交わして別れている。

埼玉の飲み屋で営業があった。
飲み屋の周年の余興。
何度かお世話になっている。
余興が終わるとその飲み屋で食事を頂き、お酒も御馳走になる。有難い。
飲み食いしていると、1人のおっさんが近づいて来て、
「久しぶりじゃん!!」僕は思い出すまでに数秒かかったが
「あーー!!久しぶりですね!!」
以前その飲み屋で飲んだおっさんやった。
色黒のスポーティーなおっさん。
「覚えてる?」
「覚えてますよ!」
「あれ何年前だろ?お互い酔っ払ってキスしたんだよ!」
「ん?」
「覚えてない?酔ってキスするノリがあったんだよ!」


うわ〜。
俺めっちゃおっさんとキスしてるやん。
俺からでは絶対ない。と思いたい。思い出したくもない。
でも、おっさんでもキス覚えてるおっさんと覚えてないおっさんがおるんやな〜。


これからも真のプロコミュニケーシャーへの旅はつづく。

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