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レコ屋

どーも、タイタンというお笑い事務所に所属しているネコニスズというコンビのヤマゲンというものです。
背が低くて元気な子がいると、きっとこの子はスケベなんやろなと偏見をもっています。
6つ下の双子の弟が俳優と映画監督でして、兄弟3人でFUTANOGOという名義で映画を作ったりしています。YouTubeで無料公開してます。
タイトルはブラックです。コロナショートムービーという今の時代やからこそのショートムービーもYouTubeにあげてます。よければ見て下さい。

僕は高校の時、ちょこちょこモテた。
嘘つけ!と言う方、まぁまぁまぁまぁ、抑えて抑えて。
バレンタインでワンホールの手作りケーキをもらったりもした。
な、これはモテてるやろ?
ワンホールの手作りケーキを学校に持ってくる時点で思春期なら恥ずいやん?それやのに好き溢れてるやん。モテてるやん。モテてるがふっくら焼き上がってるやん。だって俺ピンツイストあててたしな!!!!!

高校のときの僕はイケていたと思っている。
バイト先で出会った人に受けた影響がいい方向に転んだ。平野という大阪の汚いところではかなり功を奏した。周りはヤンキーばっかりやったから。
桜木が湘北で赤木に出会ったと思ってくれて良い。
その人はDJをやっていた。
某有名チェーン居酒屋だった。更衣室でバイト着に着替えているとき、その人のインナーのTシャツがDef Jamだった。
中学からヒップホップが好きだった僕はそのDef JamというレコードレーベルのTシャツに反応した。
「Def Jamやないすか!しぶっ!!」
「あれ?ヒップホップ好き?今度ウチくる?」
「はい!!!!!」
肌荒れが全くないツルツルの顔の僕の声がこだました。
僕は尻尾千切れるくらい降って家に遊びに行った。
そこで初めてその人がDJをやっていることを知った。
その人はこれが良いよ、あれが良いよとスクラッチ、2枚使いを駆使して僕に曲を聞かせてくれた。
僕は惚れ惚れした。こんなにかっこいいプレゼンがあるのか。
僕はターンテーブルを買うことを決めた。
その人が一言
「これだけは抑えとけ。」
とCUBAN LINKのStill Telling Liseをかけてくれた。
「はい!!!!!」
肌荒れが全くないツルツル、そしてツヤツヤの顔の僕の声がこだました。

僕は早速ターンテーブルを買った。
配送だと時間と金がかかるので友達のビッグスクーターの後ろで抱えて返った。

レコード一発目はもちろんCUBAN LINKのStill Telling Lise。
聞きまくった。かけまくった。
そこからバイト代は服から徐々にレコードに費やすようになった。

高校の同級生で同じ中学のシモという男が同じタイミングでターンテーブルを買った。
僕らは放課後は僕の家でタンテをイジり、週末はマンハッタンレコーズがあるアメ村に繰り出した。二人で中古レコードを掘るのも楽しかった。
当たり前の様に掘ることをディグると良い、レコードをレコと良い、マンハッタンレコーズをマンハッタンと言っていた。
二人でお互いが作ったMIXテープ(厳密にはMD)を交換して聞いていた。
学校ではヘッドフォンを首からかけてずっと音楽を流していた。
モテたい気持ちはあったけど、どっからかほんまにヒップホップに夢中やった。
二人で真似して描いたグラフィティアートを交換してお互いの部屋に飾ったりもした。

シモがある日、
「長居にマンハッタン出来たらしい。」
となんとも嬉しいことを言ってきた。
僕らが通う高校は長居競技場がある長居公園からチャリで5分程度の場所やった。
これで放課後にマンハッタン通えるやん!!!
最高の気分やった。
その放課後、シモと早速マンハッタンに繰り出した。

二人で軽快にチャリを漕ぎ、立ちこぎなんてのもかましてたと思う。
すぐ着いた。

ない。
探した。
ない。
青に白字でmが目印や。
ない。
ん?まだできてないんか?
どこや?
二人で「ないなー」と探し回った。

「え?あれ!?え?待って。」

あった。
めちゃくちゃネオン感が煌々と光るマンハッタンの文字。
ラブホテルやった。

二人で立ちこぎして、ルンルンでラブホ探してた。
なんか変な感じなって二人とも口数少なく帰った。
ラブホが気まずいんじゃなく、マンハッタンないんやのショックがでかかった。

僕は高校を卒業と同時にレコードを買うのをやめた。
芸人の趣味としてはチャラいし、おもんないと当時の僕は思った。
今あの頃の僕にやめんな!そんまんま好きなことやってえぇねん!!!と言いたい。
シモは今も尚、DJをやっている。
DJ ROOTWAXという名前で。
最近新しいMIXが出た。
皆さんも良かったらチェックして下さい。
当時の僕が羨むイケて方してますんで。

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