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当たり前のことは受け流してしまう

最近、友人と英語の勉強会をしている。教材は『黄色リーディング教本』(略して『黄リー教』)というテキストだ。

この教本は、中学1年生で学ぶような基本的な文法から説明されている。

しかし、ただ単に文法をおさらいするわけではない。その根底にある、語句と語句とのあいだの相互関係について、着実に理解していくのが狙いだ。

このテキストを読み進めていると、いかに自分が、英語を表面的にしか学んでいなかったか、実感させられる。


認知科学者、今井むつみさんの『英語独習法』という本に、以下のようなことが書かれている。

当たり前のことが起こると、その情報は受け流してしまい、見たことを忘れる。

『英語独習法』、7ページ

まさに、僕のこれまでの英語学習における欠点が書かれている。

文法の基本を、完璧に理解しなくとも、テストの問題を解くことだけは、ある程度できてしまう。車の動くしくみをよく理解していなくても、運転できてしまうように。


しかしこれだと、正確な読み方をすることはできない。野球では、まちがったバットの振り方が身についてしまうと、正しい振り方に直すことが、むずかしくなる。

人間は、心身に染みついた習慣から逃れがたい。習慣に流されるのはラクだからだ。条件反射は、考えなくてもできるのだ。

それと同じで、英語の本質を理解しないまま学習しても、まちがった読み方が速くなるだけだと、『黄リー教』には書いてある。


それでは、英語の本質とは何か。それは「品詞と働きと活用の間にある相互関係」であると言う。この意味については、『黄リー教』を具体的に読まずには理解がむずかしいと思うので、説明しない。

ともかく、当たり前のことは意外と見逃しているものだ。それに改めて注意を向けてくれる『黄リー教』を、しっかり身につけていきたい。

参考文献
・『英語独習法』今井むつみ、岩波新書、2020年

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