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ギターのコツはなんですか?と聞かれても困る。〜コツより実践〜

今回は、割と長々と書いてしまった。

しかし、要点はつまり、「コツだけ知ってても、やってみないとわからない」ということだ。

いちばん読んでもらいたいのは、目次の3番目の部分、「ギターのコツはなんですか?と聞かれても困る」というところ。

みなさんお忙しいと思うので、そこだけでも読んでいただけたら、とても嬉しい。

知っているだけでは不十分

なにか目的に向かって進むとき、効率は大事、それは確かだ。しかし、いくら効率のよい方法を知っていても、それを実践しなければ、ムダである。

方法は手段である。つまり、正しい方法を知っているだけでは、不十分なのだ。

ぼくは、たとえば資格試験を受けるとき、どうすれば効率よく点数を取れるか、けっこう考える。

ところが、効率のよい勉強法を学ぶことに時間をかけすぎて、直接的な勉強が足りなくなる。そんな本末転倒が、よくある。

試験勉強において、より少ない勉強量で、より高い点数がとれれば、それに越したことはない。しかし、勉強量が少なければ、いくら正しい勉強法でやっていても、受からない。

ぼくは勉強法の本を読むのが好きなのだが、こういうノウハウ本を読んだときは、それを実行しないと無意味だ。


試してみないとわからない

世間からもてはやされている勉強法も、実際のところ、自分には合わない方法かもしれない。7割の人にとっては正しい方法でも、残り3割の人にとっては、まちがった方法かもしれない。

たとえば、教科書を何度も読み込んで勉強する人と、過去問題を先に解いていく人。どちらかが絶対に正しいということは言えない。その人に合っている方が正しいと言えるだろう。

ある方法が自分に合っているかどうかは、その人自身の適性や、目的による。

それが合っているかどうかは、その方法を試してみないとわからない。ただ方法を知っているだけでは、それが自分にとって適切かどうかまでは、判断できない。

ぼく自身、山口真由さんの『「7回読み」勉強法』という本に触発され、何回もテキストを読むという勉強法をとってみたことがある。

しかし、うまくいかなかった。いや、「7回読み」にも、しっかりとした方法論があり、ぼくが理解・実行できなかっただけだが。

まず、7回もテキストを読む気にならないのだ。なんというか、表面を撫でているだけのような感覚に、耐えられない。そこもプロセスの一つなのだろうが、ぼくは挫折してしまった。

どちらかというと、ぼくには、まず演習や過去問題を解いてみる、というやり方の方が、合っていると思う。

今の時代、いろいろな資格試験の過去問アプリが、スマホでダウンロードできる。それをとにかく解く、わからなければ調べる。そのサイクルを繰り返す方が、やりやすい。

ただ、「7回読み」を試す価値はあった。試してみなければ、自分に合うか合わないか、わからなかった。

それに、選択肢が増えた。これからも、今までと同様のやり方が、通用するとは限らない。もし今のままではどうしようもなくなったとき、別のやり方でやってみることができる。それも大きな収穫だ。

方法は、最初はいろいろ試してみるといい。

ギターのコツはなんですか?と聞かれても困る

最近は、なにかやりたいことがあって、それについて詳しい人に話を聞くときは、「これをうまくやるコツはありますか?」と聞かないようにしている。

それはなぜか。繰り返すが、自分でやってみないとわからないからだ。

たとえば、「英語ができるようになりたいんですけど、コツはありますか?」と聞くのは、あまりいい質問じゃない。英語ができるようになるためには、方法も大事だろうが、大量に勉強することは必要不可欠だろう。

聞かれた方も、本音では「やってみるしかないよ」と思っているのではないだろうか。仮にコツを答えてくれたとしても、それはおそらく、「これさえやっておけばいい」という万能薬ではないだろう。

コツはなんですか?と聞いたときに返ってくる言葉は、方向性を示すものであることが多い。それを心に留めておき、実際にやってみなければ、事態は変わらない。教えてもらっただけで、問題が解決するわけではない。

ぼくは以前、ギターを始めたばかりのとき、先輩に「どうすればうまく弾けますか?」と聞いたことがある。

しかし、先輩は困惑しているようだった。「どうすればうまく弾けるか…。難しい質問だなあ。」

先輩が困るのは当然だ。質問が、ざっくりすぎるからだ。

優しい先輩は、ピックの持ち方や、基本的なコードの押さえ方などを、教えてくださった。それはそれで有用な知識だったが、その瞬間から劇的にギターがうまくなるわけでは、もちろんない。自分で練習を積み重ねることなしには、上達しない。

これは、教える側になって、わかった。「ギター教えて」と言われることがあるのだが、すごく基本的な「知識」を伝えることしかできない。しかしギターに関する「知識」は、やってみないと身につかないことだ。Fコードの押さえ方を教えたからと言って、いきなりは押さえられない。

結局、その人自身に練習してもらうしかない。せっかく聞いてもらったのに歯がゆいことだが、ぼくにはどうすることもできない(涙)

以下のことは、初心者あるあるではないか。

「ギター コツ」などと調べて、有名なアーティストの記事を読む。

しかし、答えは人それぞれだし、抽象的で、よくわからない。中には、「自分がカッコいいと思えば、弾き方なんて自由だ」などという回答もある。結局、自分で一つひとつ解決していくしかない。

ただこれは、答えたアーティストが悪いわけではない。彼の言うことは、ある意味で、正しいことなのだ。デタラメな音でも鳴らしてみると、純粋に楽しかったりする。しかし、やはりアーティストの言う「自由な弾き方」とは、レベルが違う気がする。

初心者のうちは、まずは一つ簡単な曲を選び、ひとつひとつのコードの押さえ方を習得していくないのではないかと思う。

やってみることで、具体的な課題が見えてくる

問題は、自分の問題が何なのか、自分自身が理解していなかったことにある。

課題がハッキリしていれば、それにとって、より建設的な答えを探し出せるだろう。ギターで言えば、やりたい曲が決まっていれば、より具体的なアドバイスができる。

したがって、ちょっとした技術などに関しては、コツを聞くのはありだと思う。

数学の難しい問題がどうしてもわからないとき、先生に「行き詰まってしまったのですが、ここからはどう解いていけばいいですか?」と聞くのは、時間の節約という意味では、いいことだ。補助線ひとつに気づかせてもらうだけで、パッと問題を解くことができる。

質問するときは、できるだけ具体的な方がいい。そして、「○○のコツはなんですか」などという抽象的すぎる質問は、もう少し噛み砕いた方がいいと思う。

なにか目標があるときは、それに向かって、まずは始めてみる。そうすれば、おのずと道が見えてきたりする。

「習うより慣れよ」ということわざは、あらゆることに当てはまるのだ。



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