博物館資料保存論 レポート(設問形式)④
【問】「均斉度」について簡潔に紹介せよ
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美術館・博物館での作品の損傷に配慮した照度制限の中で最大限作品を明るく見せるためのポイントはいくつかあるが、中でも重要なポイントは
均斉度・グレア・順応・点滅制御
の4点となっている。ここでは均斉度についての説明をする。
均斉度は照度計算をする際、重要視される指標の一つである。資料に対する光の当たり方が均一かどうか、照度分布の均斉程度を示し、明るさのムラがないかを数値によって検証する。その数値は通常最小度を最大照度で割った数値で求められる。
例えば、資料に最小照度30lx、最大照度50lxの光が当たっている時、その均斉度は30÷50=0.6である。
作品に明るい部分と暗い部分があると見えにくくなる側面があるが、照度ムラのない展示をするためには、展示面の照度均斉度が0.75以上となるように照度器具の配光取付位置を検討する必要がある。
パナソニック 汐留ミュージアムではリニューアル前は有効壁面の下部が著しく暗いために均斉度は0.1程度となっており、大きな作品を展示する場合には、その光ムラによる見え方や資料の劣化について危惧されていたが、リニューアル後には有効壁面の均斉度は0.8以上となり、光ムラがなく全体を明るく見ることを可能とした。