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博物館資料保存論 レポート(設問形式)⑤

【問】以下のガス状物質について簡潔に紹介せよ。
(アンモニア・有機酸・二酸化硫黄・アルデヒド)

私の書いた回答はこちらです↓↓

1.アンモニア
アンモニアは無色で刺激臭があり、水に溶けやすい気体である。博物館建設の際の躯体コンクリートから水分蒸発とともに発生、内装塗料、博物館床清掃ワックス、入館者の汗などに含まれている油絵の亜麻仁油を褐色に変化させることが確認されている。また、硫黄酸化物と化合すると硫酸アンモニウムに変化しこれが核となって腐敗が進む。

2.有機酸
有機酸は酢酸やギ酸などカルボキシル基を持つものが多く、カルボン酸と呼ばれている。日本画の顔料である鉛丹・鉛白と反応して顔料の色を変える。楯も尾の内装材や展示什器など、材料の接着剤から発生したり木材のセルロースが劣化して生じる。

3.二酸化硫黄
二酸化硫黄は無色で刺激臭のある有毒な気体である。硫黄が燃焼して生じ、別名は亜硫酸ガスという。工場の排出ガスや火山性ガスに含まれ、金属を腐食させる。

4.アルデヒド
アルデヒドはアルデヒド基を有する有機物質。多くのアルデヒドには特有の臭気があり還元性を持ち参加されてカルボン酸になる。代表的な物質としてはシックハウスの原因となるホルムアルデヒドとアセトアルデヒドがあり、発生源は内装材が主である。膠を硬化させ、日本画の顔料層の剥落に影響を与える。


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