私の履歴書 山本耀司氏

日経の私の履歴書では、山本耀司氏の連載が終盤に近づいている。それまでパリで成功した日本人デザイナーの一人という認識程度であったが、世話になった人々に触れるとき、屡々ご恩は一生忘れないと書いているのが記憶に残った。前衛の象徴とも言うべき人の芯の純粋さに触れた。ファッションにとどまらず、様々な表現活動を行っていたのも知った。出自もジャンルも異なる人々とたちまち意気投合するのは、相手が彼の純粋さ、ひたむきな表現意欲に惹きつけられるからだろうか。パリで成功したデザイナーについては、これまで高田賢三、コシノジュンコのを読んだ。日本の経済進出と彼らの成長が重なり、いずれも興味深い歴史証言となっていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?