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地下鉄を出たら霧がでていた。五分も歩けば服が湿ってしまう。 霧にぼんやりにじむコンビニの明かりに、傘を買おうか迷い、霧に傘は役にたたないな、と思う。 すれ違う人も、とくに急ぐようすもなく歩いていた。 霧の水滴をためた道路の水を撥ねながら車が走り去る。フォグランプを点けている車はない。 誰かがコンビニに入っていく。傘を買うのかな。イートインでコーヒーを飲むのかもしれない。 夜の時間が過ぎてゆく。とはいうものの宵の口。鶴舞公園を突っきって歩くことにした。 霧のなか